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別の方向はないものかと考えていたところに、日経新聞の広告が目に飛び込んできた。
「それがファイナンシャルプランナーの養成講座でした。これは税金だけじゃなくて、運用とか、不動産とか、保険とか、総合したものをアドバイスする仕事と書いてありました。これはいいかもしれないと思いました」
さっそくその講座に参加した伊藤氏はそこで運命の一言を聞くことになる。
「最初の講義で、講師の人が、ファイナンシャルプランニングは、ライフプランを考えることだ、といったのです。それはお金が主体ではなく、まず人の生活設計があって、それを実現するために、ファイナンシャルプランニングがあるのだと言ったのです。ライフプラン。これだ、と思いました」
哲学の道をあきらめていなかった伊藤氏は、生活設計というのは人生を考えることで、これまでやってきた哲学と通じるところがあると思えたのだ。
「希望の光が見えました」
ところが、時は91年、バブルの頂点で世の中が浮き足だっていた。
「その後の講義の内容は一転して、脱税に近い節税手法や、海外不動産や絵画投資の話ばかりでした。肝心のライフプランに関係する講義は、年金の基本的な仕組みと、キャッシュフローくらいでした。全て終わってみると、最初のライフプランっていうのはどこにいった、とそういう感じでした」
希望の光が少し遠のいてしまった。
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