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●昔の日本人に学ぶことがある
現在、日本の金融はアメリカから教わっている形になっているが、昔の日本にもお金の哲学を持っている優れた人がいたと伊藤氏は言う。
「例えば、渋澤栄一。お金は世界に還元させなくてはいけないと財閥はつくらず、多くの民間会社の設立に尽力した人です。江戸時代、士農工商によって商人は一番下の身分でした。しかし、近代になって、産業が世の中の担い手になっていくという中、商人も品格を持って、高い志で経済発展させなくてはいけないと考え、一橋大学をつくったのです」
明治時代にはそういう人が何人もいました。日本の資本家は非常に志が高かったんですよ、と伊藤氏。
「そういう歴史を見ると、去年の村上、堀江の2つの事件は、いかに日本の資本家が地に落ちているかを象徴しています。反省しなければいけませんね」
今の日本では、自分が頑張って金儲けして何が悪いんだ、という態度の大人が目立つ。そういうことも、すべて、視野の狭さや哲学のなさからくるものだ。
「世の中に役に立つのだ、世の中に還元するのだという精神。そういうものを伝えていきたいですね」
しかし、誰もがそういう気持ちを持つべきだと思っていても、実際の生活の中で行動するのはなかなか難しい。自分の生活で精一杯なのに、どうやって世の中に自分のお金を還元していけばいいのだろう。
「自分の収入を3つに分けてみてください。これをSOSって呼んでいるのですが、ひとつは今すぐ使うお金で、スペンディング。次は、将来のために取っておくお金、セイビング。真ん中のOはオファリング。世の中のために使うお金です」
3つのお金の比率はそれぞれ自分で考えればいいという。オファリングのお金は、募金に使ったり、エコバッグを買ったり、SRIファンドに投資したり、自分の心地よい遣い方をすればよいという。
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