中級者・ビジネスマンの犯しがちな犯罪
蔵原 今まで、罪に問われたこともなく、周囲の人も行っているので問題ないと思っていても、本当は犯罪となることは少なからずあるのじゃ。

水増し請求
水増し請求をした場合、会社の金を管理していない者と管理している者とでは、問われる罪が異なる。
1.会社の金を管理していない者
出張旅費を、実際にかかった費用よりも多い金額を水増し請求した場合、詐欺罪となる。
これは会社に対し真実はそんなにかからなかったのに、さも多くかかったと嘘をついて、会社の経理担当者をだまして、余分な金をだまし取ったことになるためである。
2.会社の金を管理している者
会社の金を管理する立場にある者が水増し請求をしたときは、業務上、不正に横領したことになり、業務上横領罪となる。
ただし、水増し額がそれほど多くない場合や、観光的に許された範囲内であればまず処罰されることはない。
会社の事務用品を私用に使う

従業員が会社で使う鉛筆・用紙等の事務用品は、会社のものであり、会社の仕事で使うために用意されているものである。これを勝手に持ち帰ったり、私用に使ったりすることは許されない。これらを管理している者が勝手に私用費消すれば横領となり、それ以外の従業員が行えば窃盗を犯したことになる。ただ通常は、可罰的価値がないとして、問題とされないだけである。
しかし、ノートパソコン、社有車等高価なものの場合やあまり度が過ぎた場合には、犯罪として処罰されることになるので注意を要する。
私用電話については、物品以外の便益を不正に利用したに過ぎず、窃盗や横領にはならないが、これも度を超すと、会社から制裁処分を受けることになる。

勝手に値引き販売をする

会社から与えられている範囲内での値引き額を超えて、客に言われるまま値引き販売をしてしまった場合、いくら販売ノルマを達成するためとはいえ、セールスマンは会社から与えられた権限に基づいて物品を販売したり、会社の売掛債権を回収する地位にあるもので、その権限を越えて値引きすることは、その任務に違背し、値引き分だけ会社に損害を与えたことになる。
値引きの目的が、自分もしくは客の利益のために、認められた権限を越えた値引きをした場合は、懲役5年以下の刑で処罰される「背任罪」を犯したことになる。

コンピューター・ソフトをコピーして使用する

会社のある部署で購入したコンピューター・ソフトが非常に便利なもので他の部署も使いたいとのことで、そのソフトを複製(コピー)して、いろいろな部署へ渡した場合、著作権法違反となり3年以下の懲役、または百万円以下の罰金が科せられることになる。
これはいくら販売目的ではなく無償で渡したとしても、これは著作権法において、複製しようが認められている家族やそれに準じるものから逸脱しており、業務で使用することは、複製ソフトの複製利用にあたり著作権法だけではなく、民法上も違反となる。

接待費の水増し、空請求

接待費水増し、空請求は出張旅費の水増しと同様、詐欺罪となり、懲役10年以下で処罰されることになる。
会社の接待費で、自分たちだけで飲食した場合も同様である。空請求の場合、されに領収書偽造が罪に加わる。