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講師紹介 |
 川田茂雄
(かわだ・しげお)
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| 1945年、東京都生まれ。都立高校卒業後、某カメラメーカーに入社。製造部門、消費者相談室、各サービスセンター所長を務め、多くのクレームを解決する中で消費者問題の大家とも対決、以後、友好関係を築く。2002年、退社。現在「クレーム処理研究会」を主宰、各企業へのCS指導、講演活動を行なっている。
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第11回 |
クレーム客へも年始挨拶 |
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現役の頃私は、正月三が日の間に、特に関係の深い販売店やクレームがもとで継続的にお付き合いすることになった特別顧客宅には年始の挨拶に回ったものです。
それも、はだって年始挨拶に行くと、かえって気を使わせてしまうこともあるので、「近所に初詣にきたので寄らせていただきました」とか、「花園にラグビーを見に来たので帰りに寄らせていただきました」とか、色々と理由をつけては、女房、子供を連れて挨拶に伺ったものです。
すると、特別顧客のみなさんは、それはそれは、たいそう喜んでくれました。普段ご自分が座っている場所に私を座らせ、女房、子供をお客様が座る席へ、そして自分は、1番下座へ座って、お茶を入れたり、コーヒーを沸かしたりと、それはそれは甲斐甲斐しく動いて、楽しそうに話しかけてくるのです。
■特別顧客宅に正月はない?
面白い事に特別顧客のお宅は、どこもお正月らしさを全く感じさせませんでした。正月飾りも無ければ、誰か親戚の方が見えているわけでもなく、ただ、普通の日と同じように寂しさが漂っているのです。
考えて見れば、こういった「うるさ型」の方達は、何処に対しても、誰に対しても同じように、意見をはっきり言いますし、相手が間違っていると見ればたちまちクレームを付けますから、結局は、誰も人が寄ってこなくなるのでしょう。
それは、相手が親戚であっても同じですから、実に寂しい正月を送っているのです。
そんな所に、思いがけずメーカーの人間が年始の挨拶に来たとなれば、そして、女房子供まで連れて来たとなれば、その感激は普通の人以上の大きな喜びであることは想像にあまりあります。
私も、遊びのついでに寄るわけですから、仕事とは全くかけ離れた雰囲気で、赤いセーターにジーパンをはいて本当に気楽におじゃまして、ご本人と楽しくおしゃべりしてくるのですが、それを側で見ていた四女が「あんなに緊張しているお父さんを見たことが無い」 と家に帰ってから言っていたことを思い出します。
年始の時は普段とは全く違い、ラフな格好で、座蒲団もあてるし、最初からあぐらを掻いて気楽にやっているつもりなのですが、それを見ていた娘は、「あんなに緊張しているお父さんを見たことが無い」ということは、普段クレーム処理や仕事で伺って相対している時の緊張が如何に大きいかがお解かりいただけるでしょう。
こんな風にして正月を有効に使ってお客様と仲良くし、きついクレームをつけられないよう、以後の仕事をうまくやって行こう、というやり方は、特に新しいことでもなく、営業マンであれば誰でもやっていることなのですが、相手がクレームをつけてくる特別顧客となるとみな気が引けて、それをやらないのです。
ここで、先手を打っておけば以後の仕事が楽になるという事は解かっていても、何故かクレーム客に、そこまでする必要はないと考えるのでしょうか?私みたいなことをする者は、他にはいなかったようです。
■年賀状や年賀メール
また、お正月は年賀状もありますから、私は、これも有効に活用してきました。毎年、木版画で多色刷りの年賀状を刷り、クレームで縁のあったお客様にも、社内でお世話になった仲間にも出してきました。(今年は、余りの忙しさにインクジェット印刷になりましたが)
また、インターネットのフォーラムを担当した時は、日時指定のメールで元日に年賀状を送ったりしました。誰に送ったかといえば、前年、会議室で活躍してくださった会員、そして、鋭い発言をされる会員達です。
わずか、1通のメールですが、メーカーの担当者から元日に年賀メールが届いたら、それは、喜んでいただけます。こういうチャンスに仲間作りをしておきますと、他の会員が何か鋭い質問をして来ても、今度は、シンパの会員がメーカーに代わって回答をしてくれたり、話が大きくならないようにメーカーをバックアップしたりしてくれるようになります。
■クレーム処理はアクティブに
このように、クレーム処理というのは問題が起きる前に、こちらから1歩踏み出して問題が起こらないように手を打っていく、そして問題が起きてしまっても、それが大きくならないように応援してくれる仲間作りをお客様の中に求めて行く事が欠かせないテクニックです。
得てしてうるさい人からは逃げ出したくなるものですが、決して逃げてはいけません。問題の起きていないうちに是非、コンタクトをとって、仲良くなっておく事がクレームには最適の対処法なのです。
そのように考えれば年末年始などの行事はクレーム処理担当者のためにあると言っても過言ではないでしょう。
「いやあ、そこまでやるの?ちょっとやりすぎじゃない、川田さん?」 と言われる方もおられるかも知れませんが、クレーム処理は受身ではなく、常にアクティブに行動することが大切なのです。
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