「小型一眼レフカメラを買ったらライトが点灯しっぱなしで熱くなり煙をはいた。やけどをした。発火した!」と苦情を言ってきた場合、「うちの製品に限ってそんなことは考えられない」などとその対応がもたもたしていると「直ぐに見に来い!新聞に出すぞ!インターネットにのせるぞ!損害を賠償しろ!」などとこうなるわけです。
この場合、直ぐに現場に飛び、本人から様子を聞くとともに現品を入手して、徹底的に故障解析をやることが何よりも重要です。狙いは、この瑕疵が原始的なものか後発的なものかを解明することにあるわけです。後発的なものだと判明すれば、民法上は責任がないのですっきりした態度で対処できるわけです。
発熱、発煙、異常音などこういった事故現象に対しては必ず何か原因があるわけでして1次的原因と2次的原因が出てきます。小型一眼レフカメラのライトがつきっぱなしになって発熱したとなれば、何故つきっぱなしになったのか?内部がショートして通電しっぱなしになったとすれば、では、何故ショートしたのか?ショート個所に腐食でも見つかれば、何か液体でもかかったのか?などとなります。
本人が全く知らないうちにカメラをテーブルから落下させられていたり、コーヒーをかけられたりしているような事故も案外多いのです。レストランや喫茶店でテーブルの上に置いてトイレなどへ行っている間にコーヒーをかけられてしまったり、テーブルから落下させられてしまったりする。 濡れたところは直ぐに拭いてしまえばわかりませんし、落としても最近のカメラはプラスチックですから外観にヘコミも出来ません。キズがつかなければしらばっくれてしまえばそれで解りませんから、そういうケースも意外と多いのです。
故障が起きた場合、これを解析していくとおおよそ故障の全容が浮かび上がります。これを法律的に見ていくわけです。同じような故障が同時期に作られた製品の中から出てくるとなると、法定評価はどうしても瑕疵があると言うことにならざるを得ません。
しかし、製品を過度な使い方をしたり、カメラの能力を上げようと定められた電源を使わずに外部電源などで電圧を上げて使ったとか小型カメラにとって過度な使い方をされますとこれは故障の原因になってきます。
これが解りますと、法定評価は「この瑕疵は原始的なものではなく、後発的なものだ」と解り、メーカーには責任はないことになるわけです。故障解析をきちんとやっていきますと、それが原始的なものか、後発的なものか直ぐに解るようになってきます。これを体系づけておけば、事故が定型的に処理できるようになってくるのです。
クレームは決して曖昧にしないで徹底的に事故解析することが何よりも重要です。およそクレームを事故解析しないで扱うと、これは非常に危険です。事故解析をした上で、お客様側に対処していくことが大切です。
■瑕疵担保責任に関わる正当な消費者クレーム
瑕疵担保責任に関わる民法570条・566条に基づいて、買主は一体どういう請求をメーカーに言えるかというと、
イ.第570条では売買の目的物に隠れたる瑕疵がある場合には
第566条に準じた請求を行うことが出来る。
ロ.第566条では瑕疵のため売買の目的が達せられない場合は
*契約の解除*損害賠償
が請求できることになります。
しかし、瑕疵担保責任は、常に契約解除や損害賠償をしなければならないのかというと、そんなことはなく、製品が悪くなった原因のパーツを交換すれば良いということになっております。民法には「損害賠償か契約解除」とありますが、経済的実情から見ればパーツを交換すれば良いわけで、これを「修補」といい、悪いところを修理すればよいわけであり、直しきれないのであれば交換すればよいことになりこれが「代物交付」であり、これが原則です。
瑕疵担保責任は、実務上は
1.修補請求(修理)
2.代物交付(商品の交換)
3.損害賠償(修理代金相当)
4.契約解除
になってくるわけです。
これが原始的な瑕疵ではなく後発的なものであれば、修補や代物交付は有償になりますし、原始的な瑕疵であれば当然無償としなければなりません。
そして、この請求は一体いつまで出来るかというと、原始的な瑕疵については10年(民法167条)ありますが、「それを知ってからは1年以内に請求せよ」と制限されております。
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