■メーカーへの直接クレーム
商品はメーカーからディーラー、小売店を通って最終消費者に渡るのが一般的です。
ここで面白いのは、第3のタイプのクレーム(瑕疵担保責任)は売買当事者間、つまりお客様と小売店とでしか問題にならないはずなのですが、おかしなことに瑕疵担保責任は、直接メーカーに行くのです。大手企業であればあるほどメーカーに行きます。そして実質的にはメーカーがこれを扱っているわけです。これは本来法律には無いことなのです。
瑕疵担保や不完全履行は、本来、契約当事者間でのみ為し得るクレームなのですから、まずは、消費者と販売店の間の問題であるべきなのです。しかし、原始的な瑕疵の場合には売買連鎖をたどって最終的にはメーカーに行くことになります。それは「ユーザー」→「販売店」→「ディーラー」→「メーカー」の順で伝わっていくことになります。そうすると、時間も手間もかかってしょうがないから直接、「ユーザー」→「メーカー」への直接対応になっていくわけです。
外国では、この売買の鎖に携わった者に、契約当事者関係をネグって、ディーラーでもメーカーでも何処に対しても保証の責任について請求できるというような考え方があったり、また、商品の従属物として、商品が第三者に渡っても、保証の責任はどんどん移って行くというような考え方もあるようです。こんなところに登場したのが「品質保証書」なのです。
■「品質保証書の問題」
これは、第三のタイプのクレームに特有のものです。元々はアメリカから導入された、ひとつの「サービス」であったようですが、「保証書」がついていると品物の売れ行きがいいということで、どんどん広がったわけです。
1968年に「消費者保護基本法」が成立し、消費者保護の機運が一層高まり出すと、神戸市や川崎市など、市の条例で「品質保証書」の添付が義務付けられるようになったところも出てきて、「品質保証書」は急速に広まって行ったのです。
第3のタイプに関わる日本の法律は、現在の大量生産とは全くマッチしない契約解除や損害賠償になっていますが、ここに、「品質保証書」が機能したわけです。
■「初期故障の補完」
おおよそ故障というのは初期故障が多いわけです。中間は少なくなり後期にまた増加する。これはバスタブ曲線と呼ばれておりますが、大部分のものは初期故障が多いという通念があります。
そこでこれに対処するために「品質保証書」を使ったわけです。品質保証書によって、法律にないことをカバーしたわけです。一般的にはこれで修補を行い、売買契約完遂のために使われているわけです。
「品質保証書」は、売買契約においてその義務の延長を行っていると考えられますが、また、販売の面でも重要視され強化されて行ったのです。しかし、その多くは初期の段階における保証内容、条件にとどまりそのあり方に疑問を残しているようにも感じます。
■「保証書の条件が多すぎるのでは?」
「販売店名」が書いていないとだめだとか、「日付」が入っていないと無効だとか、未だにこう言っているところが多いように思います。また、企業側はまだまだ恩恵的なものとして捉え、多くは事故が起きた時の最小限の問題としてとらえているようです。
しかし進んだ販売店などではその店独自に三年保証書などを出したりして保証書での売上効果を活用しております。一部の製品では10年保証などというものもありますが、まだまだ多くの製品が1年保証であり、あまり進歩しているとは言えません。
■「保証書にも独自のカラーが欲しい」
私が経験した家電メーカーや精密機械メーカーでは、保障期間内に修理でお預かりした場合は、お預かりしていた間の日数を保証期限に延長するというようなことも実施しておりました。
修理でお預かりしている間に貴重な保障期間がメーカーの責任でつぶされてしまうわけですから、考えれば当然のことなのですが、なかなかそこまで気が付くメーカーは少ないのではないでしょうか。
やはりどこのメーカーの保証書をみても保証内容が同じというのは消費者にとってはあまり面白くないわけで、販売促進効果が大きいというならば、まだまだ改善されるべき点があるように思います。
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