■初動調査の重要性
事故が起きたら徹底的に事故解析を行いその事故が法律的にみたらどうなのかをきちんと把握した上で、個々のケースに合わせてスピードをもって対応をして行くことが必要です。お客様からクレームがあったら直ちに現場に飛び、現品を確認し、徹底的に事故検証をすることが基本ですが、起きた事故全てについてそれはとても出来ません。なぜなら、事故によるクレームというのは、日常茶飯事に起こり、それにいちいち対応していけるほど人も時間も費用も余裕が無いからです。
■事故の軽重判断
それでは、危険が多すぎますので、ここで大切な事は事故の重要性を的確に見極める感性です。手を切ったとか、感電した、お腹を壊した、救急車で運ばれたなどのように、身体生命に関わるような事故。また、発煙、発火、爆発、火災などのように物的拡大損害が生じたような事故については、理屈抜きで直ちに行動しなければなりません。
■起きた問題の理解力が必要
初動調査の遅れは後々まで尾を引きます。危険な事故が起きたら何をさしおいてもその問題を理解出来る者が現場に駆けつけて、適切な情報収集を行う必要があります。
重大かつ危険な事故であるにもかかわらず、上司が逃げてしまい、「とりあえずは、お客様から現品を預かってきてよ」などと、十分な知識を持たない担当者に仕事を押し付けるというような事のないようにして欲しいものです。
■担当者に求められる技術能力
初動調査をしっかりやるためには、クレーム担当者が、自社の商品・サービスに精通していなければなりません。機能、性能はもちろん、素材から完成に至るまでの各生産工程の様子と品質規格などもきちっと把握していないと、お客様のところで起きた事件がどういう事なのか、どんな意味合いを含んでいるのかなかなか理解できません。
■お客様への途中経過報告
現品を入手し事故報告書(品質連絡票)を書いて事故解析を担当する技術部門等へ現品と共に送ります。送っただけではなく、検証結果はいつ出るのか? きちっと把握しお客様へ順次報告しておく事も大切です。お客様は、あれは一体いつになったら返事がくるのか?とやきもきしているのですから。
■検証結果を鵜呑みにしない
技術部門から回答が来たら、その回答は、自分がお客様の立場だったらどう感じるかの目でしっかりと見て行く。少しでも疑問があれば、きちんと質問をして明快な回答を求めておく事が重要です。
技術者は専門家だからと回答を任せっきりにしたり、または、気後れして質問が出来ないような状態は好ましくありません。本当に一字一句について自分が納得するまできちんと把握しておくことが重要です。
■回答書の問題点の見つけ方
検証結果が適切かどうかを責めるには、その問題に対する知識が何よりも重要ですが、例え知識がなくても、文章の前後関係、項目ごとの関係などに矛盾がないかを探し、質問して行けば、嘘があればだんだん外に出てきます。技術的には全く素人のお客様でも、こういった形で攻めてきますから、このあたりは最低限きちっと押さえておく必要があります。
■お客様への回答書
事故検証報告書を直接お客様にお見せ出来れば良いのですが、生のデータをそのままお見せすると誤解が生じかねないような場合がありますので、お客様への回答書は、クレーム担当者が新たに書き直すことが必要です。生の数値を知らせざるを得ない場合にはその数字が意味するところを十分に検証し、後々その数字が問題にならないようにしておく事が重要です。
そして、クレーム処理の最前線が、技術的なことについても十分に説明出来る事をこの段階で相手に知らしめておかないと、「おまえじゃ話にならん、技術者を呼んで来い」ということになりかねません。次回に続きます。