■事故を法律的に見る
検証の結果から、この事故は何が原因だったのか?1次的原因と2次的原因をはっきりとつかみ、その事故が最初から商品に隠れていた原始的瑕疵だったのか?それともお客様が使用したり保管したりしている中で起こった後発的な事故なのかを明確にする必要があります。
原始的瑕疵ならば無償修理しなければなりませんし、それが設計に起因するものならば回収も考えなければなりません。後発的なものであればメーカーに責任はないのですから有償修理でOKです。ここで、メーカーが悪いのか使用者が悪いのか判断に迷うものがあるならば、それはユーザーに有利な方向で解決の道を探るのがクレーム処理の王道でしょう。
■お客様への回答方法
お客様への回答方法は色々あります。手紙で回答を要求されるものもあれば、直接お会いして回答するものもありますし、間に入った販売店に説明する場合もありますし、消費者センターを通している場合には、センターに説明した後に本人説明するなど色々なケースがあります。
どんなケースに対しても手を抜かずに目いっぱいの資料を作り丁寧に説明すれば、まず、間違いはないのですが、費用と時間がからみますので、なかなか全部をきちんとやるというわけには行きません。
■回答方法のレベルを見極める
そこで、クレームのケース毎にどの程度の説明をしなければならないのかを見極める必要がありますが、これがなかなか難しい。これを間違えると解決出来る問題をこじらせてしまったり、上司を連れて行かなければ解決できなくなったりします。
クレームの内容により回答資料を何処まで揃えるかのレベルを決めるのですが、まず、第3者が介入しているような場合には十分な資料を揃える必要があります。特に消費者センターの担当者は、その問題については素人のことが多いですから、十分に理解していただくための丁寧なレベルでないといけません。
一方、相手がその商品についての機能・性能の高度な問題を追及しているような場合であれば、技術的なデータをきちっと揃えなければ納得させる事は出来ません。口頭で説明するだけでなく、フローチャートを書いて、少し大げさにプレゼンするようなつもりで資料をそろえることも相手を納得させるひとつの重要なテクニックです。
■説明資料で相手を感激させる
テスト撮影した写真などであれば、サービスサイズで見せるのでなく、本人があまり見た事が無いような大きなサイズ。四ツ切りや半切サイズまで引き伸ばして見せてあげたり、また、カットしたフィルムやプリントだけでなく現像機から出てきたままのロール状態で見せてあげたりしますと皆さん驚きます。小型のスライドビューワーを持参するのも良いでしょうし、現在でしたらノートパソコンやパワーポイント、フォトショップを使っての説明もいいでしょう。
■回答書の提出
回答書は、何でもかんでもお渡しすれば良いというものではありません。相手が書面での回答にこだわっているような場合には特に注意が必要です。役員の回答書を要求されたりする事もよくありますが、相手がどんな人物か? 悪用される事はないかを良く見極めてから提出すべきです。訪問時に書面を持参したとしても、状況を良く見てお渡しするかどうかを決める事です。
しかし、組事務所などで軟禁され「詫び状を書け」などと迫られたら、迷わずに書いて、その場から速やかに脱出する事が先決です。決して無理はしないで下さい。その後、直ぐに警察でも弁護士にでも相談すればよいのですから。
■相手先を訪問する
説明資料を抱えてクレーム処理に出掛ける日が豪雨であれば、ラッキー!です。これで半分は成功です。雨の中を遠くまで、何時間もかけて来てくれたというだけで問題はほぼ解決です。訪問をする時は、理屈抜きで何か手土産を持参した方が良いでしょう。
手土産でクレームをごまかすのではなく、あくまでも訪問の手土産であって、世間常識の範囲内のものであれば有効に働く事はあっても失敗する事はありません。
■クレーム処理七つ道具
クレーム処理に出掛ける時は「七つ道具」を持っていました。私はカメラの事故が主ですから、簡単なカメラの分解工具、レンズ拭き道具、シリコンクロス。フィルムベロ出し工具、精度一級のスケール、夜間訪問時に表札を見る為のポケットライトなどです。最後の頃になると、愛玩犬のガムまで携帯していました。
|