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講師紹介


川田茂雄
(かわだ・しげお)

1945年、東京都生まれ。都立高校卒業後、某カメラメーカーに入社。製造部門、消費者相談室、各サービスセンター所長を務め、多くのクレームを解決する中で消費者問題の大家とも対決、以後、友好関係を築く。2002年、退社。現在「クレーム処理研究会」を主宰、各企業へのCS指導、講演活動を行なっている。


   第3回  ザ・クレーマー  
 

 クレームをよくつける人は、自分の意見をきちっと主張する人ですから、1つの問題だけに限らず身の回りに起こるあらゆることにクレームをつける事が考えられます。
 こうなりますと、あの店でも文句を言い、こっちの店でも文句を言うという具合になり、身の回りに関わる、電気・ガス・水道・車から教育問題に至るまで、何にでも正義を主張する事になります。これを見た近所の人やクレームを受けた企業が、「あいつはうるさいから気をつけろ、クレーマーだから気をつけろ」と、クレーマーだと決めつけるような事があれば、これは間違いです。この状態では、まさに「正義の味方」、「世直しおじさん」であり、なんら不当なものはないのです。

■クレーマーは同じ事を繰り返す

 ところが、クレーマーというのは同じ製品や同じサービスに対して何度も同じ事を繰り返します。それは、「クレームを言ったのに直っていないから再度クレームをつける」という事ではなくて、例えば、中古のカメラを買ってサービスセンターに来て、「調子が悪いから修理をしてくれ」と言う。しかし、そのカメラの修理部品保有年限が過ぎていると、修理が出来ないケースが多々あります。「ごめんなさい、もう部品がないので修理が出来ないんですよ」と言っても、納得する事はなく「何故もっと長く部品を持たないのか?」とクレームになります。
 近くのカメラ店で中古品を買ってきたのにも関わらず、「親の形見にもらった大切なカメラだ」とか、「このリサイクルの時代に何でこんな綺麗なカメラを捨てろと言うのか!」などと絡み出します。

■業務引継ぎの不備にクレーム

 受付担当者では話がつかず、主任や上司に引き継ぎますと、今度は、担当者から受けた報告内容とは違う問題を持ち出して、「おまえは何を聞いているんだ、おれはそんなことは言っていない。もう1度あいつに聞いて来い。おまえのところの教育はどうなっているんだ」などと、人が変ると引継ぎの不備を追及したり、問題のすり替えを図ってきます。解決するまでに時間が掛かりますから、「おまえのところの対応が悪いから俺は何時間も損をした。俺は1時間2万円は稼ぐ。一体どう補償してくれるんだ」とすごんだりします。

■引き取ればまた同じ物を買ってくる

 このようにして、次々とクレームをつけられると仕事が止まってしまいます。面倒だからとこのカメラを引き取りますと、受け取ったお金でまた同じようなカメラを買って来て同じようにクレームを付け出すのです。
 本人は、そのカメラが修理できない事は既に解かっているのに、相手をバカにする為にこんな繰り返しを平然とするのです。これがクレーマーです。

■近年現れたクレーマー


 昔はこういったクレーマーに出会ったことはありませんでしたが、平成に入ってからは、数件こんなタイプのクレームに出会っています。
 この人達は何故こんなことをやるのかということですが、メーカーのサービス窓口や販売店の店員さんは、「お客様は神様です」と教えられていますから、無理な事をいう客だと思っても、なかなか正論で対峙する事ができません。
 そして、お客様の言う事をよく聞けと指導されていますから、不当な事を言う人だと思ってもなかなか反論も出来ずに丁寧に聞き続けます。
 ここに、反論の出来ない相手をいじめるのが楽しくてしょうがない連中が出てくるのです。きっと、今まで何処かでいじめにあった腹いせをメーカーにぶつけているのかも知れません。

■全社のコンセンサスを取って闘う

 こんな時は、同じようなクレームが起きていないか、自社関係部門及び同業他社に確認をして、本物のクレーマーかどうかをしっかりと見極める必要があります。
 そして確認が出来たら、早目にクレーマーと縁を切ることが大切です。闘うには、全社のコンセンサスをきちっと取って、何処を攻められても落ちる事のないように体制を固めないと企業は負けます。
 



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