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講師紹介


川田茂雄
(かわだ・しげお)

1945年、東京都生まれ。都立高校卒業後、某カメラメーカーに入社。製造部門、消費者相談室、各サービスセンター所長を務め、多くのクレームを解決する中で消費者問題の大家とも対決、以後、友好関係を築く。2002年、退社。現在「クレーム処理研究会」を主宰、各企業へのCS指導、講演活動を行なっている。


   第4回  クレームの形態区分  
 

 クレームの形態と人間のタイプはおよそ10のタイプに区分できます。

1.ごね得型 拡大損害の賠償要求。常識を超える金品の要求
2.プライド回復型 自身のプライドを回復するために上位者の謝罪を要求
3.神経質型 高品質の要求(音、色、感触、ゴミ、キズなど)
4.思い込み型 使い勝手、使用説明書などの改善要求
5.新興宗教型 相手の間違いを正し、教育する
6.特待要求型 上位者と話をしたい。特別扱いを要求する
7.自己実現型 理想実現の為に企業を動かしたい
8.真理追求型 小さな問題でも徹底的な事故解析を要求
9.愉快犯型 クレームをつけることに快感を覚える
10.泣き寝入り型 クレームをつけない

 これらの形態を実際に体験した事例を通して眺め、クレームに関わる問題の本質はどこにあるのかを探って行きたいと思います。

【ごね得型

 クレームで悩まされることが多いのはこのクレームでしょう。そして、1番これが多いかな?よくもまあ、そこまで言えると思うような要求をしてきますが、本人にとっては、ごく当然の権利として主張してくる場合も多いのです。

 ごねなのか?当然の要求なのか?は、要求する側と受ける側の常識レベルにどれだけ差異があるかというところの問題なのですから、安易に「こいつはごねだっ!」と決めつけないようにしないといけません。

■ハワイ旅行の写真を失敗

 ハワイへ遊びに行ったが、カメラの故障で写真が撮れていなかった…。同じような話は何件かありました。明らかにカメラの故障ではあっても、メーカーとしてお支払いできるのは、失敗したフィルム本数代金と現像代金までということになります。

「何をっ!トンデモナイ!やっと貯めた金で。やっと取った休暇で。しょっちゅう休んでいるあんたらサラリーマンとは違うんだ!もう一度ハワイへ行かせろ!」と言われますと、これは果たしてごねと言えるのだろうかと迷いました。

 昔の話ですから、つましく旅行費用を貯めてやっと出掛けた海外旅行。その楽しみにしていた写真が全くないのでは、何とも申し訳ないことは確かです。”貴重な写真を撮られる時は、必ず出掛ける前にテスト撮影をして下さいよ”、”2台以上のカメラで同じ場所を撮っておいてくださいよ”という注意書きは何処にも書いていないのです。

 けれど、メーカーに言わせれば、それは写真を撮る人の常識の範囲。いちいち細かく言わなくても、普通にご理解戴いている常識の範囲。一眼レフカメラを使う人は、それぐらいは充分にご存知のはずというようなスタンスですと、意見は真っ向からぶつかります。

 「撮れなかった写真を返せ! もう一度ハワイへ行かせろ!25万円だせ!」となりますと、ユーザーとメーカーは真っ向から対決です。

■ごねに対しては2人がかりで交渉

 こういう場合、相手が完全にごねていると判断するならば、これは、きちっと事情を説明し、出来る事と出来ない事をはっきりと申し上げなければなりません。

 1人で対応していますと、正論がぶつかりあって喧嘩になってしまいますので、こういういう場合は、2人で交渉に当って、1人がきちっと正論を述べ、もう1人がなだめ役に回るというように、刑事さんの取り調べのようなテクニックも必要です。

 なんといっても大切なお客様ですから、相手をあまり本格的に怒らせないように、粘り強く交渉する事が大切です。

■現地の写真を撮って差し上げた


 一方、お話を聞いていくうちに、無理を言ってはいるが、なんとかしてあげたいと思わせるような状況になることもよくありました。

 丁度、ニューヨーク勤務のサービススタッフが会議出席のため日本に帰ってくることが解かったので、途中ハワイに寄ってもらって、お客さんが撮りそこなった景色やお友達の写真を撮ってきてもらいお渡ししたこともあります。

 このように、同じようなクレームであってもその処理方法は全く異なるものですが、これを、”強く言われればやる。何も言われなければやらない”ということで区分していますと、これは少し問題があります。あくまでも、末長くお付き合い戴けるかどうかを判断基準にして行くことが必要かと考えます。

 次回は、プライド回復型についてお話しします。

 



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