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スローフード

1.スローフードとは

 「スローフード(Slow Food)」とは、現在イタリアで3万人、全世界(45カ国以上)で7万人以上の人々をまきこんでいる、北イタリアのブラ(Bra)という小さな田舎町から始まった運動の名前です。
 スローフード運動は、1986年に始まり1989年に協会が設立、「スローフード宣言」が発表されています。会長のカルロ・ペトリーエ氏は著書「スローフード・バイブル」で、運動の内容は、環境破壊から農産物を守り、消費者と良質な生産者を守り、「食の快楽」や「誰かとともに食べる喜び」を研究し広めること、としています。

【スローフード宣言】

我々の世紀は、工業文明の下に発達し、
まず最初に自動車を発明することで、生活のかたちを作ってきました。
我々みんなが、スピードに束縛され、そして、我々の生活を狂わせ、
家庭のプライバシーまで侵害し、“ファーストフード”を食することを強いる
“ファーストライフ”という共通のウィルスに感染しているのです。
いまこそ、ホモ・サピエンスは、この滅亡の危機へ向けて
突き進もうとするスピードから、自らを解放しなければなりません。
我々の穏やかな悦びを守るための唯一の道は、このファーストライフという
全世界的狂気に立ち向かうことです。
この狂乱を、効率と履き違えるやからに対し、
私たちは感性の悦びと、ゆっくりといつまでも持続する
楽しみを保証する適量のワクチンを推奨するものであります。
我々の反撃は、“スローフードな食卓”から始めるべきでありましょう。
ぜひ、郷土料理の風味と豊かさを再発見し、
かつファーストフードの没個性化を無効にしようではありませんか。
生産者の名の下に、ファーストフードは、私たちの生き方を変え、
環境と我々を取り巻く景色を脅かしているのです。
ならば、スローフードこそは、今唯一の、そして真の前衛的回答なのです。
真の文化は、趣向の貧困化ではなく、成長にこそあり、
経験と知識との国際的交流によって推進することができるでしょう。
スローフードは、シンボルであるカタツムリのように、
この遅々たる歩みを、国際運動へと推し進めるために、
多くの支持者たちを広く募るものであります。

出典:島村菜津著「スローフードな人生!」新潮社



2.スローフード協会について

 「スローフード協会」は、1986年にブラで生まれ、1989年に設立されたNPO(非営利組織)です。本部は今でもブラにおかれています。
 地域の伝統や産業の変化、文化振興を目標とした若者グループの社会活動などを背景として、1980年にまず「バローロ愛好協会」が誕生しました。協会はランゲ地方の観光、ワインや特産物のためのプロモーション活動を「知識と快楽を対にする」を合言葉に展開、このための協同組合も結成されました。この過程で多くの共感者を得、1986年にスローフード協会の前身となる「アルチゴーラ」が独立組織として創設されました。特産品の保護や伝統という考え方に取り組んだアルチゴーラは、1989年には1万1千人を超える会員数を擁するようになりました。アルチゴーラはローマのスペイン広場へのマクドナルドの出店をきっかけに、アルチゴーラ・スローフードと名称を変更、12月、パリでの国際スローフード協会設立大会に集まった世界中の会員の代表がスローフード宣言に署名し、スローフードは世界的な運動となりました。
 スローフード協会では、様々な出版事業のほか、質の高い特産品およびその生産者(職人)と消費者に出会いの場を提供する食の祭典「サローネ・デル・グスト」、そこで実施される「味のワークショップ」、インターネットを活用した食の草の根運動「フード・プラネット」、味覚教育の企画と実施、食の講習会「マスター・オブ・フード」や「味覚の大学」の設立(2004年開校予定)、歴史と郷土性のある質の高い産品を守る「味の箱舟」プロジェクト、「プレシーディオ」プロジェクトなど、様々な活動を展開しています。

3.日本におけるスローフード

 日本では、1999年4月に「日本スローフード協会」(本部−名古屋、理事長−デザイナー/ソムリエ 国本桂史氏)が設立され、現在では会員数約300人の特定非営利活動法人となっています。その他、東京スローフード協会(60人、代表−食文化研究家 馬場裕氏)があります。また、ムパタ・インターナショナル「ソトコト」の小黒編集長を中心とした活動も展開されています。

 



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