1.電子政府とは
「電子政府(Electronic Government)」とは、中央政府、地方自治体などの行政機関の内部業務および住民や企業との情報のやり取りを電子化して、オンラインネットワークで処理できるようにすることです。
中核となるのは電子申請や調達の電子化、行政事務の電子化です。住民サービスの面
では、転入・転出手続きや住民票などの取得、税金の申告などが、インターネットでできるといったメリットがあります。また企業にとっても、電子申請や電子調達ができれば、時間と費用の節約が可能になります。なお、自治体業務の電子化については、「電子自治体」とも呼ばれています。
電子政府は、「5年以内に世界最先端のIT国家となることを目指す」とした「IT基本法」を枠組みとして、2001(平成13)年に決定した「e-Japan戦略」および「e-Japan重点計画」により実現が急がれています。
【e-Japan計画の経緯経過】
具体的には、「行政の情報の提供、申請・届出などの手続きの電子化、文書の電子化、ペーパーレス化および必要な業務改革を重点的に推進し、電子情報と紙情報とを同等に扱う政府を実現」することと、「ITを活用した公共サービスの多様化・質の向上により、国民がITの恩恵を享受できる社会の実現」を目標として掲げています。2005(平成17)年までに3000万世帯が高速インターネット網に常時接続可能な環境を整備する一方、様々な行政サービスを電子化して、オンラインで流通
させる計画となっています。
しかし、その基盤となるはずの「住基ネット(住民基本台帳ネットワーク)」が、個人情報保護法制などの前提となる法整備がないまま実施されたことで、多くの批判を招いています。一部自治体が導入を拒否するといった事態も起こり、電子政府の最も基礎的な部分が問題視されています。
社会的・国際的に情報化が進む中、行政機関と民間の間でITが円滑に利用されなければ、国家全体でのその非効率性による社会的損失は極めて大きいと言われています。電子政府の構築は、ITがもたらす効果
を社会全体で活用するための基盤として、世界各国が力を入れています。
2.電子政府の整備状況
日本における電子政府は、大きく次の4つの側面で推進されてきています。
(1)インフラの整備
パソコンなどの機器やネットワーク、政府の認証システム、電子署名制度、セキュリティ対策、IT活用に向けた法整備など。これらについては、日本は世界的にみてもかなり先進的と言える水準にあります。
(2)ITによる国民の利便性の向上
ホームページによる行政情報の提供(「電子政府の総合窓口」の運用)、行政手続のオンライン化、政府調達の電子化など。行政と民間との双方向化を進めていますが、アメリカやカナダ、シンガポールなどのIT先進国に比べて、国民生活や企業活動に密着する分野での双方向処理のメリットはまだほとんど具現化していません。
【オンライン化を実施する手続き例】
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戸籍・住民票
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戸籍謄抄本交付請求、戸籍の届出、住民票交付請求、転出届等。 |
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旅券
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一般旅券の交付申請。申請にあたって住民票添付の省略も。 |
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納税
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国税の申告、納税、納税証明書の交付請求など。(地方税について実証実験実施) |
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年金・保険
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健康保険・厚生年金、雇用保険に関する各種届出。(実施中) |
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輸出入・港湾諸手続き
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入出港届、輸入関連手続きなどのワンストップサービス。(実施中) |
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自動車保有
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検査・登録、車庫証明、自動車税納税手続きなどのワンストップサービス。 |
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特許
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特許出願、実用新案出願、意匠出願、商標出願。(実施中) |
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調達
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各府省での原則全ての調達手続き(電子入札)。(実施中) |
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(3)行政内部の情報化
行政内部の事務のペーパーレス化や効率化など。これは2002(平成14)年の後半から、電子政府推進の新たな中心的課題となりつつあります。
(4)「1つの電子政府」の構築
電子「政府」に対応する電子「自治体」を整備し、国と地方が一体となった「電子政府」を構築しようというもの。これは、「住基ネット」やその前提となるべき個人情報保護法制等の未整備、地方自治体における人材および財源の不足などから、道半ばの状態となっています。
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