1.ロボットとは
「ロボット(Robot)」は、チェコの作家カレル・チャペックが、1920年に発表した戯曲『人造人間』に登場させた造語で、強制労働を意味するロボータなどが語源となっていると言われています。その後しばらくは小説や漫画の中だけの存在でしたが、20世紀後半になって実際に作られるようになりました。
「ロボット」に関する厳密な定義はなく、人間あるいは動物のように手や足、頭などがあって物理的に動く機械というのが、概ねのところなっています。但し最近では、インターネットで必要な情報を検索するプログラムのこともロボットと呼んでいます。一般
にイメージされやすい人間型のロボットは「ヒューマノイド・ロボット(Humanoid Robot)」と呼ばれています。
これまで、「人間のような人工物をつくること」を目標に、いわゆる「AI(Artificial
Intelligence=人工知能)」で頭脳の部分の研究が進められ、「ロボット」で体の部分の研究が進められてきました。しかし現在ではそれらの研究領域は融合しつつあると言えるようです。
現実的には、一昔前まではロボットと言えば産業用ロボット(特定の作業のための工作・製造用の『腕』)を指していました。しかし現在では、ペットや玩具などの他、セキュリティや福祉を目的としたロボットなども登場し、その機能や市場は多様化・拡大しています。
2.ロボットの新市場
近年では、従来型の「産業用ロボット」以外に、次のような目的・機能および市場を持つものが登場しています。
(1)研究を目的とした、可能性を追及するもの
具体的に定まった用途はないが、ロボット研究の最先端をいくものです。
ホンダの『アシモ』、理化学研究所の『ZEN-450』、北野共生システムプロジェクトの『モルフ3』などがあります。
(2)娯楽や癒しを目的としたもの
「エンターテイメント・ロボット(Entertainment Robot)」、「アミューズメント・ロボット(Amusement
Robot)」などとも呼ばれる分野のロボットです。いわゆる「ペットロボット(Pet Robot)」もこの一種と言うことができます。
玩具市場は、もともとはまだ未熟なロボット技術レベルを活用する機会として開拓された市場です。しかし癒しを求める時代の潮流のなかで大きな話題を呼びました。
ソニーの『アイボ』や『SDR-4X』、バンダイの『ネットボーグ』、ツクダオリジナルの『PINO』、キューブの『CAM-08』などがあります。
(3)会話やコミュニケーションを目的としたもの
(2) と似ていますが、双方向的コミュニケーションを目指すものとして、研究・開発が進められています。玩具的意味合いの濃いものから、医療や生活サポート的意味合いを持つものまで、市場の可能性は拡大しています。
日本SGIの『ポージー』、NECのパートナー型ロボット『パペロ』などがあります。NECではパペロによる実証実験データを基に、『ロボットスタジオ』というロボットソフトウェアプラットフォームの販売を開始しました。
(4)生活補助や介助を目的としたもの
近年では、リハビリテーションや介助をサポートするロボットなどが研究・開発されています。神奈川工科大の『パワースーツ』、安川電機の『TEM
LX1』、日本ロジックマシンの『レジーナジュニア』などがあります。
(5)セキュリティを目的としたもの
テムザックの『番竜』、三菱重工業の『MRAS-i』、綜合警備保障の『C4型ガードロボ』などがあります。最近ではセコムの動く金庫ロボット、三栄都市のロボット付きマンションなども話題となりました。
(6)家事の代行などを目的としたもの
松下電器産業の『掃除ロボット』、米国アイロボットの『Roomba』、川崎重工のアシモを転用した重機操作などがあります。
先月開催された「ロボデックス」では、三菱重工業の未来型家庭用ロボット『wakamaru(わかまる)』が話題となりました。これは、会話や留守番をしたり家族の健康管理にまで気を使う、独立した人格を持つ家族の一員として紹介されました。
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