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SPC

1.SPCとは

 「SPC(Special Purpose Company)」とは、特定の資産を担保にした証券の発行など、限定された目的のために設立される会社のことです。
 これまで、一般的にSPCという場合には、「特別目的会社」と「特定目的会社」の2つがありました。特別目的会社は、SPC法と関係なく通常の株式会社や有限会社を現行法の枠内で不動産の証券化などに対応させたもの、特定目的会社は、SPC法によって設立される特別な会社を指します。現在では、単にSPCと言えばSPC法に基づき設立された会社を言うようになっていますが、新聞などでもこうした区別のないまま記事にしている場合が多いようです。
 SPCは、安定した利益が期待できる資産を持つ企業が、それを元に資金を調達しようとした時に、その資産の活用という限定した目的のために設立する、ペーパーカンパニーとも呼びうるものです(会社以外の信託や組合の形態を含めて「箱」といった意味合いで「SPV:Special Purpose Vehicle」と言う場合もあります)。この背景には、バブル崩壊以降の不動産の担保価値の減少、膨らんだ資産の圧縮の必要、銀行からの借入など間接金融ではない直接金融への転換の必要性といったことがあります。
 資産をその保有企業と切り離し、安全性の高い購入しやすい商品(証券)として小口化して販売することで、不動産などの資産の流動化を図ろうとするのが、次に説明するSPC法であり、そこで規定されているのがSPCなのです。

2.SPC法とは

 SPC法とは、1998(平成10)年に施行された「特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律」とその整備法を合わせた通称です。同法により、資産の流動化に対する様々なニーズに応えるため、特定目的会社(SPC)を活用して資産の流動化を行う制度が創設されました。投資家保護を図りつつ、一般 投資家による有価証券を通じた資産に対する投資を容易にすることで、資産の流動化を図ることを目的としています。
 しかし、特定目的会社は、税法上の有利な扱いなどがあったものの、設立手続きの厳しさや運営の制約などから、使い勝手の悪いものでした。企業側では独自に「特別 」目的会社を設立して対応していることが多かったようです。そこで同法は、2000(平成12)年に「資産の流動化に関する法律」として改正され、現在では比較的簡易に設立できるようになっています。
 なお、特定目的会社を特にTMK(Tokutei Mokuteki Kaisha)と呼ぶ場合もあります。また、改正法ではSPCとともに「特定目的信託:SPT(Special Purpose Trust)」も規定しています。SPTは、特定資産の原保有者から特定資産の「信託譲渡」を受けて、その信託受益権(証券)を原保有者に交付します。原保有者自身がその信託受益権を投資家に販売するという点でSPCと異なります。


3.SPC法による資産流動化の仕組み 

【SPC法による資産流動化の仕組み】

 SPCでは、特定資産の原保有者(「オリジネーター」と言います)との間の資産の売買により、オリジネーターが直接金融を得るための媒介役を果たすと同時に、投資家への利益配分を行います。
 オリジネーターはSPCを媒介役とすることで、有利子負債の削減や運転資金の調達以外に、次のような効果を得ることができます。

(1)
企業自体の信用力に左右されずに、一般市場からも直接的に資金調達することが可能となる(資金調達の多様化)。
(2)
保有不動産等を分離することで資産を圧縮し、企業のバランスシート(BS:貸借対照表)を健全化させることができる(オフバランス効果)。
(3)
大規模プロジェクトの展開や新規事業の開始などの場合にも、資金を証券化して調達し販売代金で償還するといった方法がとれる。

 また投資家側には、「小口化」「証券化」により少額で投資することができ、投資商品の選択肢が広がるといったメリットがあります。

 



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