1.ビジネスモデル特許とは
「ビジネスモデル特許」とは、情報技術(IT)を活用した新しいビジネスの仕組みや方法に与えられる特許で、ビジネス特許、ビジネス方法特許とも呼ばれています。
特許法で保護対象となる「発明」には、「自然法則の利用」を前提に、次の要件を満たす必要があり、これはビジネスモデル特許においても適用されます。
(1)新規性(いままで公表されていないこと)
(2)進歩性(誰もが簡単に思いつくようなものではないこと)
(3)有用性(産業上役立つものであること)
(4)公序良俗に反するものでないこと
ビジネスの方法とは本来「人為的な取り決め」であって、そのままでは発明といえるものではありません。例えば「がまの油売り」や「富山の薬売り」などは独特のビジネス方法ではありますが、特許の対象とはなりません。ただしそれがインターネットやコンピューターなどを用いた独創的なビジネス方法であれば、特許対象となり得ます。これには、コンピューターのソフトウェアに特許性が認められ、さらなる技術革新によりソフトウェアの応用分野が広がってきたという背景があります。
2.ビジネスモデル特許の背景
ビジネスモデル特許が注目されるようになったのは、米国が最初です。1980年代からこうした権利の取得はみられましたが、広く社会的に話題となったのは1998年のステートストリート事件がきっかけとなっています。この事件の判決において連邦巡回控訴裁判所(CAFC)がビジネス方法も特許付与の対象となることを明確にし、米国でビジネスモデル特許の出願や権利行使に拍車がかかったと言われています。その結果は世界各国に大きな影響を及ぼしました。
この背景には、プロパテント政策下においてソフトウェアを著作権法だけでなく特許法によっても保護を図る傾向にあったこと、情報技術の進展によりパソコンやインターネットを使ってビジネス上の抽象的なアイデアを具体化することが容易な環境となっていたこと、などがあげられます。
3.日本におけるビジネスモデル特許の状況
前述の判決以来、日本でもビジネスモデル特許がブームとなり、2000年には出願件数が前年のほぼ5倍に膨れ上がりました。またビジネスモデル特許の出現により、これまで特許とは縁遠いと思われていた製造業以外の業種も、積極的に出願するようになりました。
こうした状況に対応するため特許庁では、2001年4月から「電子商取引」審査室の新設し、専門家をアドバイザーとしてとして任命するなど、審査体制を充実させる取り組みを始めています。また審査基準を明確化し、先行事例データベースの充実化も図っています。
世界で維持されている特許は約400万件で、日本は米国に次いで多数の特許を持ち、実用新案を含めば、世界一の特許大国ということになります。しかし内容をみると、その70%以上が改良特許で独創性の高いものではなく、そのロイヤルティー(特許使用料)収入も低いものとなっています。またビジネスモデル特許の先駆けとなった金融分野では、日本は米国より10年は遅れているといわれています。国際的な金融自由化の波の中で、こうした状況への対応が急務となっています。
4.企業活動への影響
ビジネスモデル特許の出現は、サービス業をはじめとする非製造業者も特許に関与せざるを得なくさせました。また研究開発分野以外の、顧客との接点の多い営業・企画分野の担当者が発明者として特許に関与する機会が与えられることになり、中小のベンチャー企業などにもビジネスチャンスが大きく広がることとなりました。
企業側では、こうした影響を踏まえた特許戦略が必要となっており、担当部署の設置、技術職以外の社員への積極的な特許研究・教育制度や報奨金制度の充実が求められています。
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出願と同時に番号が付与され、以後の手続きはこの番号に基づき管理される |
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出願日から1年6ヶ月後に「公開公報」で公開。希望により短縮も可能 |
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出願から3年以内に審査請求をしなければならない |
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特許要件を満たしているか審査。拒絶理由に該当する場合には通知があり、意見書・補正書により拒絶理由を解消する必要がある。 |
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拒絶理由がない場合あるいは解消した場合に受けることができる |
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特許査定から30日以内に特許料を3年分一括で納める |
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納付後約3〜4ヶ月で特許番号、特許証が送られ、「特許公報」に掲載される |
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