1.自動車リサイクル法とは
「自動車リサイクル法(正式名称:使用済み自動車の再資源化に関する法律)」とは、今年7月5日に成立した、使用済み自動車のリサイクル処理を適正に行うため、関係者の役割分担と責務を明確にした法律です。
メーカーには、使用済み自動車から排出されるフロン類、エアバッグ、シュレッダーダスト(破砕くず)の3品目の引き取りとリサイクルが義務付けられました。また、ディーラー、整備事業者など廃車の引取業者に登録制、解体業者などに許可制を導入し、適正処理を義務付けました。一方ユーザーは、正規に登録された引き取り業者へ廃車を引き渡す義務を負います。なおこれらリサイクルの費用負担は自動車の所有者が負い、集められたリサイクル料金は資金管理法人(第三者機関として指定:既存の公益法人の活用を想定)が管理することになります。
「自動車リサイクル法」は、不法投棄の防止、最終埋め立て処分量
の極少化を図ることを狙ったもので、廃車後の情報を一元管理するシステムの構築などの準備期間を経て、法案成立後2年半以内(2004年度内)の施行を目指しています。政府はリサイクル率を2015年までに95%とする目標を掲げています。
2.法律制定の背景
日本の自動車(四輪車)の保有台数は、2001年末時点で7264万9099台(経済産業省調べ)、全国から排出される車は年間約500万台にのぼります。海外に輸出される約100万台を除き、約400万台が国内で解体処理され、現状では車重比75〜80%がリサイクルされています。しかしその他2割を占めるシュレッダーダスト等の処分が問題となっています。
シュレッダーダストは産業廃棄物として最終処分場に埋め立てられていますが、全国の最終処分場の容量
が限界に近づき、処分費が上昇しています。鉄くず価格も低下しており、このままでは不法投棄が増える恐れがあります。また、エアコンなどに使われる有害なフロン類も多くがそのまま空中に放出されており、起爆剤が含まれ取り扱いの難しいエアバックなどの処分も問題となっています。
【自動車リサイクルの流れ】
3.自動車リサイクル法の特徴
自動車リサイクル法には、以下のような特徴があります。
(1)拡大生産者責任(EPR)
これまで使用済み自動車のリサイクルにほとんど関与してこなかった自動車メーカーや輸入業者に、初めてその役割と責任とを具体的に定め、シュレッダーダスト、エアバッグ、フロンの引き取りを義務付けた。
(2)料金の前払い制度
リサイクル費用の徴収は、新車購入時や車検時の前払い方式となっている。これは、後払い方式の家電リサイクル法により、家電の不法投棄が増えている実態を考慮したものである。
(3)登録・許可制度
廃車が適切に処理されるよう、新たに引取業者、フロン回収業者に登録制度、解体業者、破砕業者に許可制度を設け、新たな制度上の位
置付けを創設してそれぞれの役割分担を明確にしている。
(4)電子マニフェスト制度
使用済み自動車の流通経路や処理達成を示す管理伝票を、電子情報でやり取りする電子管理表(マニフェスト)制度を導入し、各段階の事業者において確実にリサイクルされたことを確認できる情報管理システムを構築する。
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