1.クリーンエネルギー自動車とは
「クリーンエネルギー」とは、大気汚染などのもととなる有害ガスや廃棄物などを生じ
ない無公害燃料のことをいいます。「クリーンエネルギー自動車(Clean Energy Vehicles)」
とは、こうした石油代替エネルギーの利用やガソリン消費量の削減により、ガソリンと経
由を燃料とする従来の自動車に比べて排出ガス中の汚染物質を大幅に少なくした低公害車
を指します。
既存の自動車から排出されるガスには、二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)や黒煙(粒子状物質)など、地球温暖化や大気汚染の原因となる有害物質
が含まれています。クリーンエネルギー自動車の普及は、このような環境問題を改善する
とともに、日本の石油依存度の低下にもつながります。
実用化しているものに、「電気自動車」「ハイブリッド車」「天然ガス自動車」「メタノー
ル車」のほか、広義のクリーンエネルギー自動車として「ディーゼル代替LPガス車」が
あります。また「燃料電池車」の実現に向けた開発も進められています。
しかし、既存の自動車と比べた車体価格の高さ、走行距離の短さ、新たな燃料供給施設
の必要など、課題も数多く残されています。
2.分類別クリーンエネルギー自動車の特徴
(1)電気自動車
バッテリーからの電気を動力源として走行する自動車です。排気ガスを出さない、騒
音や振動が少ないといった特長がありますが、車体価格が既存車の2〜3.5倍程度であり
交換バッテリーの価格も高いことから、ほとんどが法人需要に限られています。
1回の充電で走れる走行距離が100〜200kmほどとガソリン車に比べて大幅に短いことが大きな壁となっていましたが、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池の開発により、実用性は高まりつつあります。
(2)ハイブリッド車
電気モーターとガソリンエンジンを組み合わせ、2つの動力を効率良く切り替えて走
行する自動車です。パラレル・ハイブリッド(発進加速時のエンジン負担が少なくディーゼルの黒煙やNOx排出量
削減に効果)、シリーズ・ハイブリッド(モーターの出力を大きくしエンジンをほぼ一定の負荷で駆動)の2つの方式があります。
燃費の向上、排気ガスの削減が可能なほか、既存のインフラを利用できる、走行距離
が既存車と同等以上といった特長がありますが、車体価格が既存車の1.04〜1.7倍でバッテリーの交換も必要といった問題があります。
(3)天然ガス自動車
天然ガスを燃料として走行する自動車で、天然ガスを気体のまま圧縮して高圧ガス (CNG)として利用するものが世界で最も普及しています。
窒素酸化物(NOx)をディーゼル車の10〜30%に抑制でき、粒子状物質(PM)も排 出されない、といった特長があります。しかし車体価格が既存車の1.04〜1.7倍程と高
く、一充填あたりの走行距離が150〜350kmと短い、タンクの容積が大きく重い、燃料供給施設が少ない(全国約180ヶ所程度)といった問題があります。
(4)メタノール自動車
アルコールの一種であるメタノールを燃料とした自動車です。近年では都市廃棄物や
バイオマスからのメタノール合成が可能になり、石油代替エネルギーとして期待されて
います。
窒素酸化譜(NOx)をディーゼル車の50%に抑制でき、粒子状物質(PM)が排出さ れない、といった特長がありますが、車体価格が既存車の2倍程と高く、低温時のスタ
ート性能に問題が残る、燃料に毒性がある、起動時にホルムアルデヒドを排出する、燃料供給施設が少ない(全国約50ヶ所程度)、といった解決すべき課題が残っています。
(5)ディーゼル代替LPガス車
プロパンガスを燃焼させて走行する自動車で、ディーゼルトラックと同等のパワーを
持ち強い馬力を発揮することから、かなり実用化が進んでいます。窒素酸化物(NOx)
をディーゼル車の10〜30%に抑制でき、粒子状物質(PM)が排出されない、といった 特長がありますが、車体価格が既存車の1.1〜2倍程であり、燃料供給施設が少ない(全
国約2000ヶ所程度)、石油代替の効果はない、といった問題があります。
(6)燃料電池車
水素と酸素が化学反応を起こす際に発生する電気を動力源として走行する自動車で、
ガソリン車、ハイブリッド車に変わる次世代自動車として注目されています。水素を燃
料とした場合排出されるのは水のみとなり、有害物質の排出はありませんが寒冷地では
凍結などの問題が残ります。従来のガソリンスタンドに代わり水素供給施設が必要とな
るため整備には時間がかかり、実質の商品化は20〜30年先と言われています。