■戦略の必要性
そもそも、営業とは何でしょうか。おいおい、何をいまさら…、そりゃあ、お客にモノを売ることだろうといわれる方も多いかもしれませんが、そこからちょっと考えてみましょう。実は広辞苑によれば『営業(えいぎょう) 事業を営むこと。商売』となっています。ここで言う商売とは継続的に利益を出す行為のことを指します。つまり、営業とは継続的に利益がでるようにモノ・サービスを売る行為なのです。気付かれた方もいらっしゃると思いますが、営業の役割は『(一時的な)利益』を出すのではなく、『継続的な利益』を出すためにモノ・サービスを売ることなのです。
『わかっているわい!』とか、『そんな細かい違いなど別に重要じゃない…』と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこの『一時的』か『継続的』か、というのは、売るための戦略や具体的な戦術を考えた時に、天と地ほどの開きが出てきます。当然、自分の営業活動を考えても、一時的な売上しかあげられないような商品の組み合わせや顧客に対して、ただ闇雲に人の3倍頑張ったところで自転車操業の状態からは一生抜け出せません。継続的な売上になる顧客をベースに、継続的な売上を上げられる商品と一時的な売上を上げられる商品を組み合わせて営業を行うことで、新規顧客が既存顧客となり、その顧客に新たな製品や上位サービスを提供することで、フローではなく、ストックの営業ができるのです。
バブルの花咲く、一昔前の右肩あがりに経済が伸びている時代は「利益のでる売り方」にさほど注意を払わなくても利益がでることも多かったでしょうし、多少の難点には目をつぶって買いつづけてくれる顧客もいたかもしれません。しかし、現在は「継続的に利益をだせるようにモノ・サービスを売る行為」を営業と定義せずには企業が立ち行かないのが現実です。
また、営業マンを統括する営業部門とその役割は何でしょうか?もちろん顧客と直接接触し取引を行うのが営業部門ですが、実は単なるモノを売るだけの部門ではなく、営業担当者は顧客にとってその企業の代表者なのです。そのことを身を持って経験した方も多いと思いますが、実際皆さんが相手先にどう振舞うかによって相手企業が受ける印象が全く違ってくるのです。つまり営業担当にとってある顧客はOne of Themかも知れませんが、顧客にとってはあなたは企業の看板を背負った非常に重要な存在であるわけです。
営業担当者は企業が提供するものを個々の顧客の要望に適合させ、重要な情報を企業へ持ち帰り、顧客を教育し、交渉し、契約を締結しなくてはいけませんが、 そこで重要となってくるのが、今までのように数を打つ方法ではなく、営業に対して戦略を立て、いかに効率よく業務をこなすかということです。
実際20%の顧客が80%の利益を上げるという80:20の法則というものがあります。営業マンも闇雲に営業をかけるのではなく、いかに収益に繋がりそうな営業をこなせるかということが今後求められてきます。そのため、このコラムの内容を皆さんに実際に仕事で応用してもらうことで、戦略営業のできる営業マンを目指していただきたいと思います。
『何を言っているのか!顧客は皆平等に神様だ!』といわれる方もいらっしゃるかもしれません。実際重要ではない顧客など存在しないかもしれません。ここで考えて頂きたいことは、ただ単に『重要でない顧客』を冷遇し、『重要な顧客』を厚くもてなすべきだ、といっているのではないのです。
基本的にマネジメントは『いかに限られたリソース(時間、コスト)で最適な運用を行うか』ということであり、大抵、自社の顧客全てを訪問できるような数の営業を抱える企業は特別なケース以外ほとんど存在しません。自分の担当顧客リストを眺めてもすぐわかるように、数百も存在する全ての担当顧客を同じレベルで対応することは、自社の利益の多くをもたらしてくれる得意先を冷遇せざるを得ない状態になってしまう、ということなのです。いわば、『こちらを立てれば、あちらが立たず…』といった状況であり、限られた時間で全ての顧客に完璧な対応をすることはできないのです。
次回は戦略営業に向けて個人として、具体的にどのような能力を身に着けて、日々の行動に活かしていけば良いかということを1つ1つご一緒に見ていきましょう。
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