1.社内ダイナミクスをバリューチェーンでつかむ
よく「ソニーは強い」とか「任天堂の財務体質は優れている」、「トヨタ王国」などよく新聞等でみられる優良企業がなぜ強いのか、どこが優れていて、どの活動の部分が他社と比較して圧倒的な強みを生んでいる源泉となっているのか、ということを考えるときに企業活動をマーケティングや開発、物流などの主要活動と、財務経理や人事などの補助活動(管理部門)にブレークダウンした上で、さらに細かく分析するときに使うことができます。どの企業も「なんとなく強い」わけではないのですから、必ず「秘けつ」があるはずです。例えば、デルコンピュータであれば、工場、オペレーションシステムを開拓し、教育をすることで、デルモデルと呼ばれるBTO生産方式(オーダーを受けてから組み立てる方式)を円滑に(最短4日程度で配送)すすめるノウハウを構築し、販売店の出店や代理店構築の経費をかけずにWEBなどでダイレクトに購入できる販売方式をとることができ、その結果コストが増加しない分価格優位性を常に持つことができるのです。
経営学でよく使われるバリューチェーン(価値連鎖)という考えは、顧客ニーズを深く理解するためにも非常に便利です。バリューチェーンとは社内において製品またはサービスが顧客に届くまでの付加価値の連鎖のことです。価値をつくる活動には主活動と支援活動があり典型例は図のとおりです。
顧客のニーズの理解を深めるためにもこのバリューチェーンをどう使うことができます。営業が話を聞いている顧客の背後には、複雑な組織内の様々な役割を持った人のニーズ・思いがあり、部外者がその複雑なニーズを覗こうとしても情報の渦に飲み込まれがちです。そうしたときに、会社内の付加価値連鎖のプロセスであるバリューチェーンを使うことにより、ニーズの整理がしやすくなるのです。
窓口の担当者に話を開くときにもその社内のバリューチェ-ンを頭に描き、どの社内プロセスのどんな課題からこのニーズがきているのかを思い巡らし、必要であればそのニーズの源に聞きに行くことであなたの理解を構造的に整理された形で深めることができます。例えば、あなたが購買担当者と商談をしているその商材のニーズは社内のR&D(研究開発部門)から来ているのかもしれません。購買担当者レベルでは差が無いように思える部材が、実はR&D部門の人に話をすれば差別化を図れるかもしれません。ニーズをとらまえるという目的からすると、組織図よりも、付加価値の連鎖であるバリュ-チェーンで考えたほうがニーズの連鎖もわかり易いはずです。
社内意思決定者を探すときも組織図だけで見ていると思わぬところからの横やりに足をすくわれることがあります。バリューチェーンで見て行くと、組織図以外での利害関係者が見えてくるのです。
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