何かと物騒な世の中ですよネ。電車の中でスリに財布をとられた、空き巣に入られた、クレジットカードを悪用されたという人はいませんか? アンラッキーな人にせめてもの救いが「雑損控除」。盗難、横領、火事、台風、白アリ(細か過ぎ〜!)などなど、家財や住宅に被害を受けた場合、翌年、確定申告すると税金が戻ってきます。さらにこうした災害に関連してやむを得ず支出した費用も「雑損控除」に含まれるので覚えておきましょう。
というわけで、前回の「医療費控除」に続いて確定申告シリーズ第2弾!「雑損控除」のマル秘テクニックをご紹介しましょう!
■雑損控除を受けるには条件がある
雑損控除はどんな場合でも受けられるのでしょうか? 残念ながら答えは“NO”。雑損控除を受けるには条件があるのです。まず対象となるのは「日常生活に必要な住宅」や「家財」に限られます。なので、別
荘、書画骨董、貴金属などは「日常生活に必要ではない」ものなので、控除の対象にはなりません。高価な宝石もダメ。1個の価格が30万円を超えるような宝石は対象外となります。でも、そのために安い指輪を買うというのもヘンな話ですが……。
■該当するのは、盗難・横領、火災・火薬の爆発、
害獣、害虫などによる異常な災害
「雑損控除」は次に該当するものに限られます。
- 盗難・横領による損失(詐欺、脅迫による損失は該当しない。それは被害を受けた本人の意志もちょっぴり入っているから=多少とも責任があるため)
- 火災・火薬の爆発などによる災害
- 害獣、害虫、その他の生物による異常な災害(ちなみに、その他の生物に“暴力亭主”は含まれませんので、あしからず)
■通勤用のクルマはOKだけど、レジャー用のクルマは×
「じゃあ、こんな場合はどうなの?」と、素朴な疑問をお持ちの方も多いことでしょう。具体例を挙げてご説明しましょう。例えば……
〈通勤のために利用しているクルマを盗まれた場合〉
通勤用の自動車は、生活に必要な資産にあたるので、時価相当額から総所得の10%を引いた金額が対象になります。もしキャンピングカーなどレジャー目的のクルマだと日常生活に必要不可欠ではないので、残念ですが控除の対象にはなりません。
〈彼(女)にお金を貸したて踏み倒されたときは?〉
盗難や横領にあったときのみ該当します。人にお金を貸してそれが返してもらえないのは、貸した本人にも責任アリ。「雑損控除」は受けられませんヨ。「カネの切れ目が縁の切れ目」とあきらめた方が、傷が浅くてすむかもネ。
■「損害額−所得金額×10%」or「損害額のうち災害関連支出の金額−5万円」
のうち多い方の金額が控除される
では、具体的にどのぐらいの税金が戻ってくるのでしょうか?控除金額は、
「損害額−所得金額×10%」
「損害額のうち災害関連支出の金額−5万円」
のうち多い方の金額です。たいていは、実際に被害を受けた額から、その年の所得金額の10%を差し引いた金額になります(台風や地震など災害の場合はもっと複雑な計算に)。
したがって被害額が所得金額の10%以下なら、この「雑損控除」は受けられません。たとえば所得万300円で、スリに盗まれたのが2万円だったら、被害額は10%以下なのでダメ。ま、わずかなソンはガマンしなさいということかな。
その代わりといっては何ですが、もし被害額がその年の所得から控除しきれない場合は、以降3年間にわたって繰り越しができますよ。火事や台風で家が壊れちゃったというようなとっても悲惨な時はけっこう助かるはず。ただし災害により損害を受けた場合には、災害減免法による税金の減免とこの雑損控除とのどちらか有利な方を選択できます。災害で大きな被害を受けたときは災害減免法の方が有利なケースが多いでしょう。なお損害額のうち、保険金や損害賠償金などで補てんされる金額は除かれます。
■被害にあったときは、消防署や警察署から必ず被害額の届け出証明書をもらうこと
また10万円の被害を受けたからといってその金額がそのまま戻ってくるわけではありませんよ。「医療費控除」などと同様に「雑損控除」も所得控除(所得から差し引くこと)なので、還付が受けられるのは、控除額に所得税率をかけた金額になります。
被害にあったときは、消防署や警察署から必ず被害額の届け出証明書をもらっておくこと。これがないと被害を証明できません。また雑損控除は年末調整ではできないので、確定申告する必要あります。翌年の確定申告を忘れずに!
「雑損控除」の適用になるかどうか判断が難しい場合は、最寄りの税務署に尋ねましょう。電話で気軽に相談できますよ。
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