いよいよ春本番!
大地からは新しい芽が出、桜のつぼみはふくらみ、新しい命の誕生に賑わう……まさに春は芽吹きの季節。株の世界にも、新しく芽吹く株が存在します。それが新規公開株。最近では、あの新生銀行や、古本でおなじみのブックオフの株が売り出され、大儲けした人も多いとか。
そこで今回は「新規公開株」の上手な投資術についてお教えしましょう。
■上場後、公開初値が大幅に上昇することがある。
すぐ売り抜ければ大儲けする場合も
ちょっと固い説明になりますが、株式の新規公開とは、株式会社が市場に株式を上場・登録し、その会社への投資機会を一般投資家に広く提供することで、その会社が直接、資金調達を行うものです。最近では、新生銀行やブックオフの株が売り出され、高値をつけたことで話題となりました。新規公開株とは、証券取引所やJASDAQ市場に新規に株式を上場し、一般
投資家に株式を購入してもらう事を言います。
たとえばアナタが会社を作ったとして、できたばかりのベンチャー企業だとすると、資材を購入したり給料を支払ったりなど、会社運営に必要な資金を調達する場合、担保力に乏しくて信用力も十分でないなど等の理由で、銀行になかなか融資を受けられない場合もあります。その際、株式を公開することで、資金調達が可能となるわけで、多くの企業が新規公開の道を選んでいます。
公開前に一般株主づくりの為に売り出される株価に比べ、上場後、公開初値が大幅に上昇することがある。したがって、すぐ売り抜ければ大儲けする場合もあります。
★最近の主な新規公開株の公募価格と初値
|
公募価格
(売り出し価格) |
初値
(上場後の取引価格) |
値上がり率 |
ズバリいくら儲かった? |
新生銀行
(1月19日) |
525円 |
872円 |
66.09% |
34万7000円
(1000株単位) |
マクロミル
(1月28日) |
70万円 |
151万円 |
115.71% |
81万円 |
ブックオフ
(3月16日) |
130万円 |
258万円 |
98.46% |
128万円
(1000株単位) |
|
(手数料、税金はのぞく)
■公開人気は熱し易くさめ易いので、
成長性のある企業にじっくり投資することも大切
このところ新規公開株がブームになっておりまして、最近、話題になった新生銀行の場合、今月2月19日に東京証券取引所第一部に上場しましたが、投資家に人気で買いが殺到、上場後の初値は売り出し価格(525円)を66%上回る872円となりました。新興三市場(ジャスダック、マザーズ、ヘラクレス)でみると、昨年2003年に新規上場した100社の平均公募・売り出し額は18億8000万円と前年比で29%も増えています。新規公開株は個人投資家に人気が高く、2003年は年間平均で公募・売り出し価格を58%上回る初値(前年は37%)がついています。
確かに普通の株式投資に比べ、儲ける可能性は高いと言えましょう。ただし公開人気は熱し易くさめ易いので、成長性のある企業にじっくりと投資することが大切です。実際、新生銀行の株価は初日の終値が827円でしたが、翌日には748円に値下がりしています。もし公開初日に買ったとすれば、翌日には早くもソンしてしまい、必ず儲かるとは言えないわけです(3月18日終値865円に上昇)。
■新規公開株を買うためには、
「ブックビルディング」に参加する必要がある
その新規公開株を買うためには、まず「ブックビルディング」に参加しなくてはいけません。ブックビルディングと言っても“本でビルを建てる”わけではありません、念のため。「ブックビルディング」とは、ブック=需要、ビルディング=積み上げを意味し、需要積み上げ方式とも呼ばれています。
現在、新規公開株の価格を決めるのに使われるのは「ブックビルディング方式 」と「入札方式」ですが、ブックビルディングは、入札に比べ、価格が高くなりすぎるのを防ぎやすく、最近はほとんどブックビルディング方式で決められています。株価発見能力の高いと思われる機関投資家等からの意見をもとに価格帯(「仮条件」)を設定し、投資家に提示します。その後、発行会社は「仮条件」を基に投資家からの需要を把握し、市場動向にあった発行価格を決定します。投資家は、証券会社から発表される募集要項を見て、「この値段なら何株買う」という申告を行います。
これをもとに、売り出し価格が決定され、抽選で割り当てが行われます。したがって、もし狙っている会社の株がブックビルディング方式で新規公開されるなら、ブックビルディング期間中に「いくらで何株買うか」申し込みを行わなくてはいけないわけです。
■新規公開株への投資は損をする危険も……。
余裕をもった資金計画を立てる必要あり
銘柄によって、幹事となる証券会社が数社選ばれ、これらの幹事会社に口座を持っていないと、購入できません。購入を希望する投資家は、幹事会社から発表される募集要項を確認の上、幹事証券会社に対し申込を行いますが、ブックビルディング期間中に需要申告を行っていなかった場合は、申込期間中の購入ができない場合があります。
また、決定価格がブックビルディングの需要申告の買付希望価格を上回った場合や、購入希望株数の合計が公募・売り出し株数を上回った場合には、抽選となり、希望の株数を購入できないことがあります。どの銘柄がいつ、どこの証券会社から売り出されるのかといった情報収集をマメに行う必要があります。販売株数が多い証券会社だと、当たる確率は高くなりますよね。中には実際欲しい株数以上を申し込んで、当選確率を上げようとする人もいますが、証券会社によっては当選した株数の一部だけをキャンセルできない場合もあるので、ご注意ください。
なお新規公開株への投資は、投資妙味がある半面、損をする危険も伴いますので、証券会社によっては、投資家の預かり資産や金融資産の保有額で線引きしているところもあります。またほとんどのネット証券会社では前受金システムを採用していて、ブックビルディング参加の際に、需要申告相当額以上の前受金 (株式買付可能額) を用意する必要があり、不足していると参加できないので、余裕をもって資金計画を立てる必要があります。
■公開直後値上がりし、その後値下がりするケース多し。
欲しい株なら値段が落ち着いてから買う選択肢も
繰り返しますが、公開人気は熱し易くさめ易いので、成長性のある企業にじっくりと投資する姿勢が大切。逆に言えば、新規公開株を買えなかったとしても、焦らず、人気が冷めたところで投資するという方法もあるわけです。新規公開株は公開直後値上がりし、1か月もすると値下がりするケースが多いので、欲しい株なら値段が落ち着いてから買う選択肢もあります。
実際、ワタクシは数年前、某新規公開株に投資しましたが、上場後、その会社の株価が3倍近くも暴騰し、欲をかいて高値で買い続けた結果、あるとき急落し、大損こいた苦い経験があります。株式投資に焦りは禁物です。新規公開株はハイリスクハイリターンなので、投資するなら、目論見書など、その会社の状況を説明している冊子をじっくり検討して余裕資金で投資してくださいね。
|