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講師紹介


細野晴義
(ほそのはるよし)

1965年生まれ。マーケティング・コンサルタント。電通ワンダーマンダイレクト(現・インピリック電通)を経て、99年、ニューロ・テクニカ(現・取締役社長)設立。数多くのDRM関連のマーケティングをプロデュース。現在はDRMセミナー講師から事業プロデュースを中心に行う。企画立案のスキルにおいて、現役マーケターNo.1の呼び声が高い。著書「パワーポイントでつくる企画書ベスト事例集(翔泳社)」はアマゾンで総合ランク最高28位、企画書解説本としては一年間一位をキープ。全国でDRM関連の研修、セミナーを行い、DRM関連専門誌Impressでは連載執筆、座談会司会をする。

【URL】
http://www.neuro-technika.com/index.html



    ■第3回    ECとインターネットマーケティング  
 

 野村総研の調べによると、ECの規模は1兆4000億円に達するのだそうです。
 対GDPからすると1%にも満たないものですが、2007年までに2兆6000億ほどに達するとの見込みがついているようです。

 また、インターネット利用者は4年くらい経過すると何かしらEC(電子商取引)を利用し、男性では40代と60代、女性では30代後半のインターネット利用率が増えている、といったようなレポートが次々と出るようになってきています。

 ECといっても要は通信販売であることに変わりはありません。ただ、取引の方法がカタログではなくてWEBサイトやモバイルを使ったりする、ということで、いずれにしても顕著な伸びを示しています。また、インターネットを広告媒体と見た場合の伸びも顕著です。

 しかしインターネット利用率はADSLが普及したのち、ある程度のところで止まるともされています。これからはもう、インターネットは普及するのではなくて、どう使うのか?というのが問われる時代に入ったようです。

■ネット向き、リアル向き?

 さて、これだけインターネット取引が増えるとなると、いろいろな業種、企業が参入してきます。しかしここでうまくいく企業とうまくいかない企業とに明暗が分かれてしまいます。

 その商品がネット向きなのか?リアル向きなのか?というのは事業をする側からすれば最も知りたいところであると思われますが、明治学院大学の上原教授がこれについての答えを導く便利な式を発表しています。 それは

R:現物を見ることによって魅力や信頼を感じる程度
S:店舗建設・維持のための費用の負担(リアル店舗での犠牲)
P:品選びの要求を満たす程度(ネット店舗での便益)
D:宅配費用の負担(ネット店舗での犠牲)
H:調達時間の長さを不便に感じる程度(ネット店舗での犠牲)

 このとき、左辺よりも右辺の方が大きければその商品はネット向き。これは必ずしも数字を入れなくても、定性的に判断することでも使えるのでとても便利です。

 例えば本の場合、本は購入してから現物を見るものなので、リアルで現物を見ることにたいして魅力は感じない。→R小。

 1冊の本を買うために、広い売場を歩きさらに、それを支える店員がいる。→SはRよりも大きい→左辺の分母が大きい。

 ネット上で本を探すのは検索機能などがついているため、とても便利。→P大。

 宅配費用、調達時間などが解決できれば、右辺の分子が大きくなる。そのため、右辺の方が大きい→ネット向き。

 これは1度通信販売の事業計画を作った人なら分かることなのですが、この定式はあらゆる疑問を解決してくれます。例えば、送料については通販の事業計画を作る際には最も気を遣うところでもあります。『3000円以上お買い上げの方は送料無料!』送料が無料であるかどうか?というのはECを含む通信販売では、買う側にとってはとても重要な判断材料とされています。また、この扱いをひとつ間違えると赤字にもなるし黒字にもなります。

 あるネットショップでは「送料無料まであといくらか?」というのを表示しているところもあるくらいです。送料を気にするあまり、結局は高い買い物をしてしまうこともあるのですが、しかし、昔から通信販売の世界では「0円」ではなくて「無料」という言葉に消費者は響くとされています。

 それだけに、上原教授の示す定式の、左辺の分母であるデリバリー(DとH)に関する負担感を極力少なくして、分子であるピッキングの便利さ、要するに自分が探したい商品があるのかどうか?が直ぐに分かる、というのが重要な要素となるわけです。


■人によって探したい商品は異なる

 ところで、ここで買う側にとって自分の探したい商品が見つかる、というのはどういうことなのか?ということについて考えてみます。単に検索窓があったり、商品カテゴリが並んだりしているだけでは買う側にとってはとても不親切なECサイトということになってしまいます。

 それは人によってどんな探し方が探しやすいか?というのが大きく異なるからです。WEBサイトでは相手と自社との関係の濃淡によって(図A)のようなコンテンツの配置をすることが理想です。この流れの意味するところは、買う側は最初そのサイトに訪れたときは検索窓などはあまり使いたがらない、能動的な行動はしない、ということです。だからそのときには勝手に説明をしてくれるようなコンテンツが必要になります。しかしそのサイトを自分にとって身近な存在であるとなるとどんどんと自分で使いこなすようになることを考えます。そのときには詳細な情報を提供することが必要になります。

 実はこの流れはダイレクトマーケティングの典型的な流れとまったく同じで、私自身、ダイレクトメールでやっていことをそのままWEBサイトにあてはめたらこうなりました。また、インターネットマーケティングの世界では同様のことを語られていたのを知り驚いた経緯があります。

 余談ですが、私の持論は、DMを作れる人はWEBも作れる。


■インターネットマーケティングの評価の仕方

 数年前にクリック&モルタルと言う言葉が流行りましたが、インターネットマーケティングの世界ではWEBチェーンという言い方があります(図B)。

 WEBチェーンとは、バナー広告を見たけれどもネットで買わなかった人、バナーをクリックして資料は請求したけれどもネットではなくてリアル店舗で買った人も評価をしていこう、という考え方です。


■メカトフの法則

 インターネットマーケティングではサイト内でのコミュニティを作っていくことが大切であるとされています。なぜかというと、そのサイトに訪れる人たちが多くなればなるほど、その中で頻繁に会話が行われるようになるからです。会話が行われると、利用者にとってそのサイトを使うことが習慣となり大切な存在となります。結果 、そのサイトそのものの価値があがっていくというような現象がおきます。巨大サイトは掲示板の運営などに力を入れているのはそのためです。ただ、企業サイトの場合はクレームを表示するのを恐れるあまり掲示板の設定などは避けていることが多いです。しかし自社でやめてもどこかでファンのサイトなどが出来たりするもので、そうしたサイトの存在はまた重要だあったりもします。ちなみに、そのサイトの価値とはCNV:コミュニケーション・ネット・バリューと呼ばれていて、CNVは利用者数の二乗に比例するとされています。これをメカトフの法則と言います。(図C)。

 メカトフの法則を使うと「WEBサイト関連にどれくらいの利用者が見込めるからこれだけの投資ができる」といったような計算も出来ます。


 


 



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