■DRM・「つながりをつくる」ということ
はじめまして、細野と申します。DRM(ダイレクト・リレーションシップ・マーケティング)を専門としております。今後3ヶ月間、みなさんにこれまで私がやってきたことをご紹介したいと思います。
今回は初回なので、少し前置きを長く、私の専門であるDRMについてお話させてください。まず、みなさん、DRMと聞いて「ダイレクトマーケティングじゃないの?」と思われたかもしれません。ダイレクトマーケティングというとどうしても、DMのことでしょ?通販のことでしょ?といわれてしまいます。確かに、DMも通販もダイレクトマーケティングの重要な要素なのですが、それは手法を示しているに過ぎません。つい最近まで、はやったのにCRMというのがあります。これはダイレクトマーケティングをやってきた人間からすると、ダイレクトマーケティングの1部です。詳しくはこれからの連載の中でも触れていきますが、ちなみに、「CRMはマーケティングの行程の1部である」ということを十分に意識して取り掛からないとうまくいきません。
マーケティングの神様、コトラーの出したマーケティング原理第9版(最新版)はマーケティングの専門家を騒然とさせたようです。コトラーのいうに、「マーケティングの目的はつながりをつくること」にあると。 「え〜!ほんまかいな」 そう思ったマーケティングの専門家は多かったようです。その本の帯にも「コトラーが変わった!」と大きく書かれてあります。私も自分の目を疑いました。
これは我々のやってきたダイレクトマーケティングそのものなのです。せっかくコトラーおじさんがリレーションと言葉を強調してくださっているのに、我々がそれを使わない手はありません。それだけでなく、ダイレクトマーケティングを専門とする者の間でも、何とか正しく伝える方法はないだろうか?と、長い間考えられてきました。それで最近ではRの文字をDとMの間に入れるようになってきています。これは我々専門とする人間からすると、本来のダイレクトマーケティングの姿とピタリと合います。
いっけん、言葉遊びのようにも思われるかもしれません。しかしここにRの文字が入るのはとても重要なことで、それがこの連載のテーマでもあります。また、これは一過性の、流行り言葉ではありません。一般に、マーケティング屋というのはやたら言葉を作りたがる習性があるようです。
「細野さん、○○マーケティングについてどう思われますか?」 よく私が浴びる質問なのですが、残念ながらその多くにお応えすることはできません。「知らないですよ〜、誰かが勝手にそう言っているのでしょう」 としかお答えできません。一昨年流行ったCRMもそうでした。元々CRMはDRMの中に組み込まれていることで取り立てて珍しいものではありません。その証拠にDRMの歴史は意外に古く、アメリカでは1920年代から始まります。いえいえ、我々日本人は富山の薬売りでは350年前からやっております。これは最先端だと思われていたCRMそのもの、DRMの理論と見事に合致します。だいたい我々日本人というのは意外に独創的で、ただ、体系化が下手なので、どうしてもマーケティング用語も横文字が多くなってしまいます。
さて、CRMだのDRMだのと、アルファベット3文字がやたら出てくると、皆さんもそろそろ気持ち悪いと思いますので(笑)、本論に移ります。
さて、今の時代、マーケティングの目的は、コトラーおじさんの言う、「つながりをつくること」にあります。その方法としてDRMの体系がとても役に立ちます。これは机上の話をしているのではありません。こうして今、レビューしてみることで、「つながりをつくる方法ってどんな方法があるのか?」をみなさんにご紹介したいと思っております。
※ここであげられる事例は本シリーズに用に創作したものです。しかし、筆者が実際に経験したことを元につくられているので、極めて実践的といえます。
■ある文具メーカーの試み
A社は文具メーカーです。しかし自社商品を市場に浸透させるのにとても悩んでおりました。
「それ、どれだけ広告やっているんですか?」どんなに自分の会社の商品がすぐれた商品であっても、流通がそれを取り上げてくれなければ話になりません。だからこそ、「ガンガン営業にいってこい!」 という話になるのが常です。確かに営業力はとても大切。しかし営業先といっても無数にあります。
社内でも多くの商品があることから(つまり、社内競合を起こしている)、営業部門がこの新しいブランドの販売先獲得にそうそう力を入れてもらえるものではありません。
そこでその文具メーカーが考えたのが、文房具取扱店向けにサンプルを送る方法でした。一般消費者向けの場合、どんなに高機能のものを考えたとしても、どうしてもイメージ戦略になってしまいます。イメージで勝負をしようとするとなると、莫大な広告予算を必要とします。もちろん、広告は、それはそれで必要なのですが、新しいブランドに沿う大きな予算が与えられているわけではなく、大々的な広告キャンペーンを展開できるわけではありません。少しでも広告の効果を営業に直結させよう、と考えました。
話を元に戻します。文房具取扱店向けなら、彼らはプロ。真剣にメッセージを読んでくれるはずです。
STEP1-A:
- 消費者向けに、マスメディアを中心に広告を掲載する。
STEP1-B:
- 文具取扱店(文具店、パソコンショップ、書店など)関連のリストを作成し、DMを発送、サンプル急送!の文字を入れる。
- DMにはブランドマネージャーの自筆サイン入りのメッセージ(挨拶状)
- その食品に関する詳細な情報、レシピの紹介などを行う。
STEP2:
STEP3 :
- サンプル送付後、コールセンターよりフォローの電話を入れ、希望する場合は営業マンが向かい、成約を勝ち取る。
この方法はとてもいい方向に行きました。なんたって、営業の人に来て欲しいというところへ営業がいくのですから、成約する確率はとても高くなるわけです。営業部門にしても売れることが分かってて営業に行くのですからモチベーションがあがります。ブランド立ち上げ当初あまり協力的でなかったのに協力してくれるようにもなりました。
まさに、これこそDRMが描く姿なのです。確かにDRMで主要なトピックとなるDM、テレマーケティングを駆使しておりますが、マスメディアをちゃんと使っています。営業部門と連携もはかっているようです。STEP1、2、3としているのにもちゃんと理由があります。大きな会社になればなるほど、各部門の関係というのは決して良くないのですがここでは一貫しています。
それはどうしてなのでしょうか?また、このときに何か障害はなかったのでしょうか?
それは次の機会のお楽しみに。みなさんも、自分のビジネスにあてはめて、こんなことは出来ないだろうか?とぜひ考えてみてください。
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