言うまでも無く、マーケティング課題の解決とは、「消費者の行動をどのように変えるか?」ということである。
前回、そのアプローチ方法として、コンシューマーインサイトを学んだが、 そこでキーになるのが消費者の認識であった。今回はこの消費者の認識に視点をあてた「パーセプション」について学ぶ。
消費者は商品の物理的機能ではなく「このブランドが好き」等々の主観で商品の購入を判断することが、前回の説明でわかってもらえたと思う。これは何 も消費行動だけでなく、人間の行動の全てが主観の影響を受けているのである。
例えば、あなたが他人を評価する際、成績、スペック等の数値ではなく印象 や感情が優先するのではないだろうか?人間は主観の動物であり、消費行動にコミットするにはパーセプションに影響を及ぼす必要がある。
コンシューマーインサイトの部分でもふれたが、企業の関心は製品そのもの に向きがちである。そのため、当然課題も製品、その解決策も製品に関心が向いてしまいがちなのである。一方、消費者は印象や感情によって購入判断を行う。つまりどんなにすぐれた製品であろうが、それが消費者の心にささらなければ(現在のマーケットで は消費者の心に「響く」程度では、消費者の財布は開かない。)消費者の態度が変容することは無い。
このような事情から、企業と消費者、両者の間には深い溝ができる。マーケ ティングのミッションはその溝を埋めることにある。ならば、そのためにどのようなアプローチを行うべきか?その答えが、「消費者の認識を、企業サイド に好ましいものに変化させること」といえる。
ここで少し整理しよう。「消費者の認識を、企業サイドに好ましいものに変化させる」このプロセスを考えた時、「現状の消費者の認識」がスタートライン、「企業サイドにとって好ましい態度」がゴールだといえる。現状の消費者の認識というのが「パーセプション」、そして、マーケティングでは、「企業サイドにとって好ましい態度」を「パーセプション・チェンジ・ゴール」という。つまり、マーケティングのプロセスは、パーセプションというスタートラインがら、パーセプション・チェンジ・ゴールというゴールのテープに至るまでの道のりである。
では、このアプローチのプロセスについて具体的に考えていこう。
まず、最初にやること。 それはスタートラインとゴールの位置を探し出し、設定することである。パーセプション変容のプロセスは、コースのはっきりしたサーキットを走るレースではない。荒野の中で道を探して走るラリーのようなものだ。スタートラインやゴールの位置を間違えたのではレースさえできない。
このスタートラインとゴールを見つけることが先週話した、コンシューマーインサイトといえる。そして、このコンシューマーインサイトを基に、適切なパーセプション変容のプロセスを策定して、適切なコミュニケーションを消費者サイドに行う。そうすることで、企業、消費者、両者の溝を埋める、つまりパーセプション・チェンジ・ゴールに至ることができるのである。
では、実際にパーセプション変容のプロセスを、ある架空のパソコンメーカーA社を例にあげて説明してみよう。
A社は自社製品「Z」に対して以下のような認識を持っている。
A社はこの認識をもとに、スペック、重量等、数値中心で表現した広告、販促ツール類を作成。
しかし、売れ行きは予想外に苦戦。 ここで消費者のパーセプションを把握してみると・・・
つまり、このようなパーセプションを持つターゲットに現状のようなアプローチをしても何の意味も無いことがよく分かる。そこで適切なパーセプション・チェンジ・ゴールを設定することが必要なのだ。そうすることで初めて、その達成のためのコミュニケーションを立てることができるのである。
どうだろうか? ここでパーセプション・チェンジ・ゴールを導き出しておくことにより、それに則った適切なプロモーションが行えるのである。
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