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講師紹介


藤田憲一
(ふじたけんいち)

1970年生まれ。ダイレクトマーケティング広告会社、大手広告会社、シンクタンクを経て、現在(株)JMARCH取締役CEO(女性サイトとしては国内最大級の書込数を誇るコミュニティを運営)、(株)ニューズウォッチ情報事業部長(東芝、電通、三井 物産、凸版、ニューズエッジ、新規事業投資の6社のJV。ニュースクリッピング。国内2位の検索エンジンフレッシュアイの運営を行う。)、(株)NCI代表取締役社長 (テキストマイニングを用いた戦略コンサルティング事業を行う)に就任。
主要著書
驚くほどマーケティングが身につく本(中央経済)/よくわかるCRM(日刊工業新聞)/テレマティクス(日刊工業新聞)



【質問はこちらまで】
oldcolumn@bizdo.jp


■藤田憲一公式サイト■


 
■ 第16回
 顧客視点、IT時代のマーケティング その3
 CRMを取り巻く考え方
 
 

 先週の最後に時代の環境の変化に関して述べた。現在では物が売れにくくなり、新規顧客獲得コストが高騰し、市場シェア拡大策が非効率化してきた。そのような中、「ワン・トゥー・ワン・マーケティング」「リレーションシップ・マーケティング」「パーミッション・マーケティング」というマス・マーケティングの対極の考え方が台頭してきた。これらは、いずれも、新規顧客の獲得以上に、既存顧客の維持が重要であるという考えに立脚しており、CRMの基になった考え方である。

リレーションシップ・マーケティング
  顧客との良好な関係作りを通じて、
  CS(顧客満足)を獲得するという考え方

ワン・トゥー・ワン・マーケティング
  顧客と双方向のコミュニケーションにより、
  顧客ニーズを把握するのが重要であるという考え方

パーミッション・マーケティング
  顧客とのコミュニケーションにあたっては、
  顧客の許可を得なさいという考え方

 そして、これらの考え方がCRMへと結実されるわけであるが、CRMの考え方の中心になる基本的なセオリーの話を行う。企業は、上記のような流れの中で、マス・マーケティング的な考えから脱却。製品中心主義から、顧客中心主義に転換し、顧客について深く知ろうとすることに力を割くようになった。その過程で企業は以下の2つのことに気付いた。

(1)規顧客を獲得するコストは計算したら、
   既存顧客維持の何倍ものコストがかかっていた。

(2)自社の売上の殆どは、
   実はほんの一握りの顧客によりもたらされている。

 まず、(1)について見てみる。 マーケティング活動は大きく分けると、アクイジション(顧客獲得)リテンション(顧客維持)の2つのフェーズに分かれる。近年、特に時代背景の変化により、アクイジションのコストが高沸していることは前項で述べた。
 CRMの基幹をなす理論の一つに「リテンションとアクイジションの1対5効率」というものがある。 数々のケーススタディーから、一般的に、アクイジションコストは、リテンションコストの5倍かかることが証明されていることから出てきた理論である。この理論は、顧客を維持することが如何に重要かということを示している。

(2)は、CRMの考えの基になるものであると同時に、マーケティングや、経営戦略の策定に広く使われている考え方で「パレートの法則」という。これも、上記の「リテンションとアクイジションの1対5効率」同様、数々のケーススタディーから、一般的に上位20%の優良顧客が売上の80%を占めているという事実を発見したものである。これは実は顧客だけでなく、「優秀な営業マンの上位20%が売上の80%を占めている。」とか、「売れ筋商品の上位20%が売上の80%を占めている。」といったセオリーがあてはまることも実証されている。
 この2割対8割というのはあくまで各業界のマジョリティーであり、銀行では、この法則を当てはめると、20対120の法則になり、上位20%の顧客が、利益を生むばかりでなく、下位80%の顧客が生み出す赤字を吸収しているのである。(銀行では、口座維持のコストがかかるのみで収益が上がらない下位顧客は赤字しか生まないのである。) 「リテンションとアクイジションの1対5効率」では、顧客を維持することが重要であることが、「パレートの法則」では、更に維持だけでなく、優良顧客に育成するということが重要であることがよくわかるだろう。

 

 

 



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