今回でCRMは5回目であるが、今週は要望の多かったLTVの話をしていく。
CRMの目的は顧客価値の最大化である。しかし、顧客価値をどう捉えるかが分からないと最大化など出来ない。これまで顧客シェアのことを話してきたが、CRMのミッションである顧客価値最大化は、顧客シェアで捉えるLTV(life time value=顧客生涯価値)を最大化することを意味する。LTVとは、顧客が生涯を通じてブランドもしくは企業にもたらすであろう利益のことである。 つまり、顧客シェアを長期的に拡張した考え方とも言える。顧客価値の最大化とは、個人ごとのシェアを最大限獲得することの永続的な営みから生まれるのである。
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LTV(life time value=顧客生涯価値)
顧客が生涯を通じてブランド
もしくは企業にもたらすであろう利益の総額
つまり…
顧客シェアを長期的に拡張した考え方。
(顧客価値の最大化=顧客シェアを最大限獲得し続けること)
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1つ例をあげよう。ある人が長年、あるブランドのタバコを愛用してきたとしよう。しかし、何だか、最近、味が変わった気がする。にもかかわらず、しかるべき告知もない。彼は不安に思って、お客様センターに「味が変わった気がするのでプロダクトサイドに確認して、しかるべき回答が欲しい。」と言ったとしよう。この顧客は市場シェアで考えた場合、他の客と同じ、シェアを構成する1人でしかない。そう考えると、商品の200数十円よりコストがかかる今回の対応は赤字を生むだけの「迷惑千万」なものといえる。そのような発想でいくと、特別な対応、つまり特別にコストをかけることは出来ない。一方、顧客シェアを考えた場合、どうだろう?この顧客は愛用歴が長く、かつ、質問の内容からしてもロイヤリティーが高いことが想像できる。当然、LTVの面から考えると、しかるべき対応をする方が得策であることが容易に想像できる。
LTVの考え方が普及していない頃、つまり市場シェアオンリーの考え方だった頃は、1人1人のニーズに対応できるのは、自動車等、高額商品のように1回の購入あたりの利益が大きくない商品だけであると言われていた。
例えば、7〜8年前、私がまだ社会人1〜2年目だった頃、ある飲料会社のビールの購入者1人1人の顧客情報をとるというキャンペーンの企画に関わったが、その当時は、この企画は、多くの人に首をひねられた。缶ビールは230円。とても、そんなコストはかけられないと思うのは無理からぬことであった。しかし、LTVで見た場合、事情は少し変わって来る。特に、ビール、缶コーヒー、タバコのように毎日習慣的に消費され、ブランド指名買いの割合が高い商品の場合は特にだ。
例えば、LTVをわかりやすく説明するために、かなり単純化した算出例になるが、毎日に平均2本ビールを飲むヘビーユーザーの場合、非常にアバウトな計算だが、以下の図のようになる。
上図でお分かりと思うが、LTVはあくまで、予測、仮定による推測でしかない。きっちり計算できるとしたら、それは顧客を失った時、もしくは顧客が死亡した時となる。(会計上のNPV=正味現在価値という考え方を基に現在価値に換算し、評価する方法がありますが、万能ではない。)
LTVは、概念として捉えるべきであり、「顧客価値を最大化させる」というCRMの目標のための指標、考え方として理解するのが良いだろう。
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