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講師紹介


藤田憲一
(ふじたけんいち)

1970年生まれ。ダイレクトマーケティング広告会社、大手広告会社、シンクタンクを経て、現在(株)JMARCH取締役CEO(女性サイトとしては国内最大級の書込数を誇るコミュニティを運営)、(株)ニューズウォッチ情報事業部長(東芝、電通、三井 物産、凸版、ニューズエッジ、新規事業投資の6社のJV。ニュースクリッピング。国内2位の検索エンジンフレッシュアイの運営を行う。)、(株)NCI代表取締役社長 (テキストマイニングを用いた戦略コンサルティング事業を行う)に就任。
主要著書
驚くほどマーケティングが身につく本(中央経済)/よくわかるCRM(日刊工業新聞)/テレマティクス(日刊工業新聞)



【質問はこちらまで】
oldcolumn@bizdo.jp


■藤田憲一公式サイト■


 
■ 第21回
 ブランド その2
 『約束の実行=ブランド経験』
 
 

 これまでの、マーケティング、広告コミュニケーション論や、それに関する書籍はどうやって製品を売るかで終わってしまっていた。つまり、「ブランドイメージの構築」についてのみ語り、「ブランド経験」の要素がすっぽり抜け落ちていた、もしくは、ブランドイメージとブランド経験がリンクして語られていなかったのだ。先週、ブランドイメージとともに、ブランド経験がリレーション形成を構成する要素だとお話した。それには、以下の2つの理由がある。

<ブランド経験はなぜ重要?>
1.ブランドイメージはブランド経験で強化しないと失われてしまう。
2.多くの商品は、1度の購入では、顧客への投資費用が回収できない。


これはマス・マーケティングでも同様である。なぜなのか? 理由は、2つある。

・顧客とのリレーションシップ形成には、
 購入客が満足する経験をさせることが重要である。
・収益をあげるには、1度買った購入客に
 「リピート購入をさせる」必要がある


ということである。モノ余り以前の時代は、製品が提供する「ベネフィット(例えば、掃除機で掃除が楽になる等)」や、製品を「所有」すること自体により、顧客は満足を得ていた。それに対し、現在は、製品の「経験価値」と呼ばれる、「トータルな利用経験」が重要になっている。この経験価値は、パイン、ギルモアの両名の著書により、マーケティングのトレンドとなっている言葉である。

 例えば、RV車を買う消費者は、RV車自体が欲しいのではなく、それにより、家族とレジャーに出かけたり、アウトドアライフを楽しむという経験がしたいのである。RV車の「セダン」にはない、「レジャー感」を高めるような雰囲気、荷物を沢山積めたり、雪山でも運転が容易だったりする機能、それらのトータルな経験=「経験価値」により、顧客はその製品に満足するのである。テレビCM等を見てもわかるだろう。昔は、「動力性能が○%アップ」とか、「クラス最高の○○…」とか、「小型車なのに○○…」といったように、性能がいかに良いかというのを謳い文句にしたCMが多かった。しかし、現在では、「家族との団らん」や「アウトドア感覚」等、「その車を買うと楽しいことが叶いそうだ。」という欲求を訴求するCMが多いのがわかるだろう。このように企業のマーケティングは「経験訴求」にシフトしているのだ。 

<経験価値マーケティング>
・企業はモノやサービスを売っているのではない。
・モノやサービスが提供する経験を売っている。

 このように、顧客のブランド経験は言うまでも無く、購買の前から始まっている。企業サイドは顧客に対し、ブランド経験をイメージさせるコミュニケーションを行うことで、購入意欲を換気する。そして、顧客サイドは、そのイメージを基に自分自身のブランド経験を想像し、ブランドへの思いを強め、購入に至るのである。美しいパターンは、その想像したブランド経験が購入後、期待通りだったと分かった時である。顧客は「約束が実行された」と感じ、リレーションが形成される。つまり、ブランドイメージにより換気されるブランド価値はヴァーチャルなものでしかない。それをブランド経験により、顧客自身に固有のものにすることで顧客とブランドのリレーションシップは形成されるのだ。つまり、「経験マーケティング」は消費者に感動」と「共感」を与え、ブランド価値を生み出す有意義な「ブランド経験」を提供することがその役割なのだ。

ブランドイメージにより換気されるブランドの価値は
ヴァーチャルなモノでしかない。

▼▼▼

顧客とブランドのリレーションシップは、
ブランド経験によってのみ形成される。

▼▼▼

ブランド経験を通して、
◆ 「感動」と「共感」を与えることにより新たな価値を創造する。
◆ ブランドイメージという「約束」を実行する。

 

 

 



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