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講師紹介


藤田憲一
(ふじたけんいち)

1970年生まれ。ダイレクトマーケティング広告会社、大手広告会社、シンクタンクを経て、現在(株)JMARCH取締役CEO(女性サイトとしては国内最大級の書込数を誇るコミュニティを運営)、(株)ニューズウォッチ情報事業部長(東芝、電通、三井 物産、凸版、ニューズエッジ、新規事業投資の6社のJV。ニュースクリッピング。国内2位の検索エンジンフレッシュアイの運営を行う。)、(株)NCI代表取締役社長 (テキストマイニングを用いた戦略コンサルティング事業を行う)に就任。
主要著書
驚くほどマーケティングが身につく本(中央経済)/よくわかるCRM(日刊工業新聞)/テレマティクス(日刊工業新聞)



【質問はこちらまで】
oldcolumn@bizdo.jp


■藤田憲一公式サイト■


 
■ 第24回
 テレマティクス その1  
 

 テレマティクスという言葉は知らなくても、トヨタの「G−BOOK」、日産の「カーウイングス」等のサービス名称はご存じだろう。もしかしたら、テレマティクスを少し知っているレベルの人は、ここで疑問が浮かぶかもしれない。なぜ、テレマティクスをこの講座で扱うのか?
 答えは?
 それはテレマティクスについて学ぶことが、自動車会社、ひいては企業の未来のマーケティング像について学ぶことにつながるからである。

 そもそもテレマティクスとは、「telecommunication(通信)」と「infomatics(情報科学)」の造語である。私は「自動車と外部との双方向通信による融合。それにより提供されるコンテンツビジネス」と定義している。簡単にいうと、移動中の自動車でも家庭や職場と同じようにインターネットを介して情報やコンテンツを楽しんだり、メールをやり取りしたり出来るようになるというビジネスモデルだ。

 メルマガで、「テレマティクスはITSと違って上手くいくと断言した。(もちろん、ITSが今後も伸びないとは考えていないので関係者の方は気を悪くしないでいただきたい。かくいう筆者も関係者の端くれであることでもあるし…)」

 それはなぜか? 理由は3つある。

 1つはテレマティクスが民需中心であるということだ。ITSは官需中心であったが、テレマティクスは民需中心のサービスである。これまでのITSはサプライヤーロジックに過ぎた感が否めないが、テレマティクスは当初から事業遂行のために消費者へのフォーカスが最優先ミッションとなる。つまり失敗の原因となりうるサプライヤーロジックに陥るリスクが低くなるということだ。

 2つ目はメインプレーヤーが官庁でなく自動車メーカーということである。飲料・食品、化粧品・トイレタリーと並んで消費者インサイトへの取り組みに熱心である会社が多いということだ。

 3つ目は、これが実は最も重要な点なのであるが、テレマティクスビジネスがそれ単体でペイするビジネスでは無いということである。例えば、類似サービスとして「iモード」等の携帯電話のインターネット接続があるが、これは300円という安価な利用料に目が行きがちである。つまりテレマティクスの利用料より安いではないか?というロジックである。
 しかし、携帯電話のIP接続では、サービス事業者に通信料収入が入る。

 一方、テレマティクスで自動車会社にはサービス料収入しか入らない。明らかにプロフィタブルなビジネスモデルでは無い。では、なぜ、自動車会社はテレマティクスに取り組むのか?そのキーになるのが「CRM」と「経験マーケティング」である。
 現在、テレマティクスは表層的な視点でしか語られていないが、テレマティクスの本質は、「モノが売れない時代」、「消費者が見えなくなった、理解できなくなった時代」の自動車会社の必死の試みなのである。

 つまり、テレマティクスは自動車会社が顧客との関係をよりよくし、顧客に対する知見を最大化するのが最大のミッションであるのだ。

テレマティクスの3つのアドバンテッジ
(1) テレマティクスは民需中心であるということ
(2) メインプレーヤーが官庁でなく、消費者に強い自動車メーカーということ
(3) テレマティクスビジネスがそれ単体でペイするビジネスでは無いということ。つまり、テレマティクスは自動車メーカーが顧客との関係をよりよくし、顧客に対する知見を最大化するのが最大のミッションであるということ。

 来週以降、これまで学んできたことの応用編として、これまで学んだマーケティングのトピックが自動車メーカーの次世代戦略でどう活かされているのかを見ていきたい。 お楽しみに


-参考資料-
…テレマティクスをより深く学びたい方は
拙著「テレマティクス」
トヨタ「G−BOOK」
日産「カーウイングス」
ホンダ「インターナビ」

 

 



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