詳細


ビジネスお役立ち資格集
 事務職系、営業・販売系、クリエイティブ系、スペシャリスト系、その他

各種ビジネスマナー集
 入門者から上級者まで

各種ビジネス文例集
 すぐに使える例文が150以上!

ビジネスキーワード集
 経営戦略、組織、人事、社会、経済など

リンクについて

●QuickTimeの基本設定について

ビジネス道場メールマガジンは月水金の週3回発行予定です。

登録   解除





ちず丸へGO!






 

 




 
講師紹介


藤田憲一
(ふじたけんいち)

1970年生まれ。ダイレクトマーケティング広告会社、大手広告会社、シンクタンクを経て、現在(株)JMARCH取締役CEO(女性サイトとしては国内最大級の書込数を誇るコミュニティを運営)、(株)ニューズウォッチ情報事業部長(東芝、電通、三井 物産、凸版、ニューズエッジ、新規事業投資の6社のJV。ニュースクリッピング。国内2位の検索エンジンフレッシュアイの運営を行う。)、(株)NCI代表取締役社長 (テキストマイニングを用いた戦略コンサルティング事業を行う)に就任。
主要著書
驚くほどマーケティングが身につく本(中央経済)/よくわかるCRM(日刊工業新聞)/テレマティクス(日刊工業新聞)



【質問はこちらまで】
oldcolumn@bizdo.jp


■藤田憲一公式サイト■


 
■ 第26回
 テレマティクス その3
 自動車会社の環境変化
 
 

 先週、90年代の半ば以降、自動車が売れなくなった。特に新規顧客獲得は難しい課題となり、コストは上昇してきた。というテレマティクスの背景にある自動車会社の環境を話した。そう、CRMの項でお話したように、各社がCRMに取り組む理由と全く同じなのである。今週は、CRMを復習しながら、自動車会社がテレマティクスに取り組む理由を見ていこう。

 CRMはポピュラーな言葉となってきており、CRMの回の話を読まれていない方もご存じの方が多いと思う。Customer Relationship Managementの略であり、新規顧客獲得以上に既存顧客を維持することを重要視する考え方である。

 先週、自動車業界の市場の変遷により新規顧客の獲得コストが高騰していることを述べた。ここで、CRMの項を読んでない読者の方のために、CRMの根底の考え方、1対5効率、パレートの法則を復習しよう。

(1)1:5効率とパレートの法則
 一般的に新規顧客獲得コスト(=アクイジションコスト)は既存顧客維持コスト(=リテンションコスト)の5倍かかる。様々な業種での統計から導き出されたこのセオリーを1:5効率と言う。勿論、業種により差はあるが、平均的にはこの数値となることが数々の業種で実証されている。
 同様なものにパレートの法則というのがある。これは上位20%の顧客への販売が売上全体の80%を占めるということを意味する。優良顧客を自社に囲い込むことが企業にとっていかに重要かということを示すものである。これも勿論、業種による差があり、例えば、銀行等は休眠顧客は通帳管理、通信費等で 無駄なコストがかかり、損失をうむだけであり、20%の優良顧客が売上の100%近くを占めているという例もあるようだ。
 先にも述べたように自動車会社も他産業同様、市場が伸びなくなっている。そのためにシェアを伸ばさなければいけないわけだが、新規顧客コストが高騰してきて、それも難しくなってきた。
 このように近年、自動車会社が市場の変化によって抱えるようになった悩みの原因とその解決策をこの2つの法則は示している。既存顧客維持に対して新規顧客獲得がいかに高コストかを示すこの1対5効率と、優良顧客がいかに重要かを示すパレートの法則は、これまでの顧客獲得型のいわば狩猟的マーケティングから、既存顧客を優良顧客に育て維持していく農耕的マーケティングへと戦略の基本をシフトして行くべきであることを示している。 そして、CRMの復習として、もう1つ、CRMの重要な考え方「LTV」を復習しよう。

(2)LTV
 LTVは「LifeTimeValue」の略で、顧客生涯価値のことである。顧客生涯価値とは顧客が生涯を通 じて企業にもたらすであろう利益を意味する。
 例えば、シェアの対象を市場ではなく一人の顧客にして考えて見よう。その顧客がトヨタ、BMW、ホンダ等と買い替えて行くのと、一生、トヨタしか乗らないのでは企業の収益は大きく異なってくるだろう。更にはもっと短期的に見ても、車の下取りは中古車買取店、修理は整備工場、カーナビやオーディオは車用品店と使い分けるのと、車に関することは全てディーラーに任せるのではこれも大違いであろう。それが優良顧客ばかりであれば尚更である。 このような顧客に対する考え方を市場シェアに対し、顧客シェアと呼ぶ。(または顧客のお金の使い道を意味するので財布シェアと呼んだりもする。)そして、現在、この顧客シェアは市場シェアより重要になってきている。
 なぜか? 例えば、市場シェアでリソース投資を判断する場合、優良顧客も他の客と同じであり、シェアを構成する1人でしかない。それ以上の扱い、つまり彼らだけに特段コストをかけることは出来ない。
 一方、顧客シェアで考えた場合、ロイヤリティーの高い優良顧客を優遇したり、彼等だけにプロモーションを行うという判断はリーズナブルなものになるはずである。この顧客シェアを一生に引き伸ばして考えたものがLTVである。そしてこれからの企業のミッションはLTVの最大化である。自動車産業は完全な成熟産業である。営業のターゲットはほとんどが買い替え層である。
 そういう意味でも自動車産業にとってこのLTVの考え方が重要であるのは間 違いないだろう。テレマティクスに自動車会社が取り組むのはこの辺りの事情が大なのである。 昨今、大資本の中古車買取店、中古車販売店、廉価なチェーン系整備工場、大型車用品店等々、ディーラー以外の選択肢が広がっており、且つ力を増している。
 また、本業の自動車販売自体も、先程、述べたように厳しい環境にある。 彼らの「LTV」を上げるには、より密なコミュニケーションが求められてくるが、最近は、厳しい消費者の選択眼により、以前に比べ、DMの効果が落ち、成約率が下がり、そのコストが高騰している。
 これらを闇雲に行ったのでは、いくら予算があっても足りない。 これらのコストを押さえ、且つライフタイムバリューを上げるために考えられたのがテレマティクスである。顧客は自動車に乗るたびに車載端末を通して、メーカーと繋がる。 まだ、リモートメンテナンス(遠隔故障診断)等、成熟していないコンセプトが多いが、メーカーサイドからの情報発信が日常的に安価にできるのがこのテレマティクスなのである。
 そして、もう1つ、重要なのが「経験マーケティング」という視点である。 これは来週辺りを見ていこう。

 

 



掲載の記事・写真・イラストなどの全てのコンテンツの無断複写・転載を禁じます。
Copyright 2005 Global-eye Co.,Ltd all rights reserved.