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講師紹介


藤田憲一
(ふじたけんいち)

1970年生まれ。ダイレクトマーケティング広告会社、大手広告会社、シンクタンクを経て、現在(株)JMARCH取締役CEO(女性サイトとしては国内最大級の書込数を誇るコミュニティを運営)、(株)ニューズウォッチ情報事業部長(東芝、電通、三井 物産、凸版、ニューズエッジ、新規事業投資の6社のJV。ニュースクリッピング。国内2位の検索エンジンフレッシュアイの運営を行う。)、(株)NCI代表取締役社長 (テキストマイニングを用いた戦略コンサルティング事業を行う)に就任。
主要著書
驚くほどマーケティングが身につく本(中央経済)/よくわかるCRM(日刊工業新聞)/テレマティクス(日刊工業新聞)



【質問はこちらまで】
oldcolumn@bizdo.jp


■藤田憲一公式サイト■


 
■ 第38回
 マーケティング実践ゼミ10  
 

 先週、オリエンでよく見受けられる失敗に、ただ「売り上げが下がっている」という漠然としたものがあるという話をした。そうではなく、「どれくらい下がっているのか?」とか、「その背景は?」といったことを把握するために、データが重要であるという話をした。今週は、そんな意思決定に重要な判断材料となる、データの入手の仕方、調査設計等に触れてみる。

 下記は、先週のコンサルタントK氏の課題、「タオル卸のA社がインターネット販売に参入したが、アクセス回数も売上も伸びない状態が続いている。」ということに関して、収集した参考資料である。これは、実はある官公庁の調査データを加工したダミーのものである。A社のようにインターネット販売に参入したが、不振を極める企業が多いので、その解決方法を探るために行った調査である。なかなか活用されるケースの多いデータであり、企画書等で、目にすることが多い。しかし、結論から言うと、この調査設計は、ミッションを満たしていない。つまり駄目な調査設計である。しかし、このデータだけを責めるのはかわいそうである。なぜなら、こういう調査設計しか出来ない調査会社の担当者は驚くほど多い。これは大手の調査会社で研修やセミナーをさせてもらう際に、その幹部の方からも良く聞く悩みである。どういうことか?
 例えば、今回の課題のように、「インターネット販売が上手くいかない」といった場合、ストレートに「なぜ上手くいかなかったのですか?」と聞いてしまっても何の課題の解決にもならないのである。 実際、調査結果を見て欲しい。

(参考資料:インターネットショップに対する不満)

理 由
回答率
サイトへのアクセスが少ない
54
受注、来店が少ない
44
問い合わせが少ない
27
運営コストが大きい
23
運営の労力がかかりすぎる
21
苦情処理が大変
2
その他
9

 


 これらの結果から何がわかるのだろう?

 サイトへのアクセスが少ない → 増やさなきゃいけませんね!
 受注、来店が少ない     → 増やさなきゃいけませんね!
 問い合わせが少ない     → 増やさなきゃいけませんね!
 運営コストが大きい     → 減らさなきゃいけませんね!
 苦情処理が大変       → 苦情を出さないようにしないとけませんね!

 当たり前のことである。 何の解決策にもならない。優先順位の参考にするくらいは出来るかもしれない。例えば、

  • アクセス対策
  • 受注対策
  • 問い合わせ対策
  • 運営コスト対策

といったプライオリティで手をつけよう!といった具合に。

 しかし、これが正しい意思決定とは到底いえないだろうし、このデータが、インターネット販売の不振の解決策に役立つ可能性は皆無であろう。こういう失敗はとても多い。1番多いパターンは新商品の開発をする際に、単純に「欲しい商品は何ですか?」と訊いてしまうことである。こんなことをしてもヒット商品が生まれるなら苦労しないのはおわかりであろう。

 実は調査設計に大事なのは発想の転換なのである。その詳細は来週、お届けする。 お楽しみに。

 

 



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