調査設計に関して、当たり前の話でありながら、多くの場合、出来ていないのが、発想の転換である。例えば、先週の課題のように、インターネットビジネスの失敗要因を探るのに、「なぜ、だめだったんですか?」と聞くだけでは、以下のように何にもわからない。
(参考資料:インターネットショップに対する不満)
- これの最もシンプルで簡単な解決策が「なぜ、成功したのですか?」と聞くこと
- そのアウトプットを「なぜ、失敗したのですか?」と聞いたアウトプットと比較すること
である。
ひじょうに当たり前のような話であるが、これが驚くほど出来ていない。であるので、この官公庁の調査のようなデータが巷に溢れるのである。
例えば、よく製品開発等の際、 「あなたはどういう○○が欲しいですか?」と聞くことが多いが、「あなたは○○のどういう点が不満ですか?」等、逆の質問と比較されることは少ない。
こういう製品開発での発想の転換例を他にもうひとつあげよう。例えば、私のコンサル事例の1つだが、講演等でもオープンにされているので、例に挙げると、ある光学機器の企業がデジタルカメラの商品開発を行う際にコミットしたが、この時、我々は、複数のネットコミュニティ上のユーザーの声を拾って製品開発のヒントを探った。 その際、デジタルカメラのユーザーだけでなく、携帯電話のカメラのユーザー、銀縁カメラのユーザー、プリンターのユーザーの声を拾った。実は、これが奏功し、製品開発は成功したのだが、こういった、ごく単純な発想の転換が重要なのである。
しかし、そもそも、この官公庁の調査の場合、設問に問題がある。 例えば、 サイトへのアクセスが少ない。受注、来店が少ない。 問い合わせが少ない。 運営コストが大きい。 運営の労力がかかりすぎる。苦情処理が大変。 等 これらがわかっても、失敗しないようにするために、どうすればいいのかが見えてこない。また、これらのアウトプットを見ると、設問の仕方で回答者が引っ張られている感が否めない。また、設問側が想定しないようなユーザーのきらりとした意見は拾いにくい。
これらを解決するために、フリーアンサーでヒアリングをする方法があるが、この場合も、成功理由、失敗理由を聞くのがいいだろう。
下の図は、私の所属する(株)Jmarch社の「とくっち.COM」というサイトの聞かせてダイレクトというサービスで集めた薄型デジタルカメラのユーザーの声と、それを同じく私が所属するMNCI社がテキストマイニング分析をしたものである。(分析には野村総合研究所・TRUETELLERを使用。)
※(株)Jmarch (URL:http://www.j-march.co.jp/)
女性向けコミュニティとしては国内最大級(2万/日)のクチコミ数を誇る「とくっち.Com」(http://www.toku-chi.com/)の運営会社。藤田氏が取締役兼CEO(最高経営責任者)を勤める。
(株)NCI (URL:http://www.nci-j.com/)
テキストマイニングサービス(ツール販売、分析、コンサルティング)を提供する。 藤田氏が代表取締役社長を勤める。
下記の聞かせてダイレクトのテキストマイニングサービスに関しての問い合わせは fujita@j-march.co.jp まで。

薄型カメラの良い点と悪い点を比較してヒアリングしたため、薄さ自体、デザインのよさという良い点と、電池のもちが悪そうなイメージ。手ブレがひどそうなイメージという悪い点をわけて把握することが可能。また、良い点と悪い点では、良い点の意見の方が圧倒的に大多数であることがわかる。(※図はコレスポンデンス分析という手法を使っており、中心ほどマジョリティ、端に行くほど、マイノリティをあらわすため、中心部に良い点の意見が固まっており、悪い意見はかなり端にあるため、以下の知見となる。)
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