インターネットの普及はもう述べるまでもないだろう。インターネットの普及にとっての大きなポイントというのは、私たちの行動を大きく変えたところである。
例えば、先週、紹介した「とくっち.com(http://www.toku-chi.com/※編集部注釈・藤田氏がCEOを務めるJマーチ社が運営。主婦向けでは国内最大級1日2万件の書込み数)」では、「何でも聞かせて?」というコーナーが人気があり、文字通り、ユーザー同士が疑問とその回答という形でコミュニケーションをとっている。例えば、初めての子育てで疑問が生まれれば、それについて質問すれば、他のユーザーが答えてくれるわけである。もちろん、これらのサイトは他にも多数あるわけで、これまでであれば、同居の姑、近所のコミュニティ等に聞いて解決していたことである。しかし、昨今、核家族化や地方に至るまで都市化が進み、そういったコミュニティが失われている。それらのミッシングピースを埋めるかのように、ネットコミュニティが機能しているのである。
さらに大きな変化のケースとしては、これまでの常識を非常識に変えてしまったようなケースもある。 ビジネス道場の兄弟サイトに、就職関連のサイトがあるが、例えば、10年位前、私が就職活動を行った頃は、就職活動のスタート時にやることは、就職情報会社から届くダンボール箱の資料からこれはという企業を選んで、いくつもの会社にはがきをせっせと書くことだった。しかし、現在、そんなことは非常識になっている。今の学生が就職活動の最初にやることはリクナビ等の就職サイトに入ることである。いまや、インターネットリテラシーは当たり前となり、これを持ち合わせない学生は説明会にさえ参加できない。
その他にこれまでのパラダイムを劇的に変化させたケース。例えば、リサイクルの場は、これまでは、フリーマーケットやバザー、質屋といったとても小さい市場であったが、オークションによって大きなマーケットに成長している。では、インターネットの大きな特徴、ポイントは何か?それは、企業サイドが提供するのは、「場」だけであるということだ。つまり、企業サイドがコンテンツを提供するのではなく、コンテンツの提供はユーザー同士が行うということである。それがこれまでのテレビ、雑誌、新聞等の既存のマスメディアと大きく異なるところである。
インターネットで成功しているビジネスモデルを見ると、ユーザー同士でコンテンツを提供しあうものが多い。
とくにコンテンツの課金モデルで成功しているものはいわゆる「出会い系」と「オークション」だけであり、この辺りが、象徴的といえる。そのキーにあるのは何か? それは出会いである。 パーティーの企画を考えてみるとよい。 あなたにとって良いパーティーとは、良いコンテンツがあるパーティーだろうか?高尚な講演。質の高いエンターテイメント。もちろん、それらも魅力があるだろう。 しかし、キーになるのはいかにいい出会いがあるかだ。
私は仕事柄、同業の著名なコミュニティと親交があるが、どのコミュニティでも経営者が異口同音にいうのは、ユーザーに高いバリューを提供するコツは「いかに運営側が何もしないか。」だということである。最近は1部の不届き者によって、すっかり評判の悪くなったイベントサークルであるが、学生時代、そこで成功した主催者達。はたまたその会場となるようなトップクラスのディスコやクラブのプロデューサー達と話した際、異口同音にいう成功の秘訣は以下の2点である。
- 運営側がいかに何もしないか。
- 集まる人にとって、いかにいい「場」を提供することに注力するか。
これはインターネットビジネスにそのままあてはまる。 当然、ネットコミュニティでもそうである。もちろん、コンテンツの提供は無駄だと極論するつもりは無い。それよりも、ユーザー同士が集まる「出会いの場」をいかによいものにするかに注力する方がプライオリティが高いということである。「疑問を解決するための情報収集の場合、違うのではないか?」という意見もある。
しかし、それは違う。なぜなら、それが理由なら、赤の他人の疑問に一生懸命、答える人々の行動の説明がつかない。人々は、情報収集と同様、コミュニケーション、出会いの場を求めているのだ。オークション等の情報交換に関しても広い意味で出会いといえる。
来週はコミュニティがなぜ、既存のインターネットの販促・広告メディアに代わるものと期待されているかを講義する。
お楽しみに。
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