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講師紹介


藤田憲一
(ふじたけんいち)

1970年生まれ。ダイレクトマーケティング広告会社、大手広告会社、シンクタンクを経て、現在(株)JMARCH取締役CEO(女性サイトとしては国内最大級の書込数を誇るコミュニティを運営)、(株)ニューズウォッチ情報事業部長(東芝、電通、三井 物産、凸版、ニューズエッジ、新規事業投資の6社のJV。ニュースクリッピング。国内2位の検索エンジンフレッシュアイの運営を行う。)、(株)NCI代表取締役社長 (テキストマイニングを用いた戦略コンサルティング事業を行う)に就任。
主要著書
驚くほどマーケティングが身につく本(中央経済)/よくわかるCRM(日刊工業新聞)/テレマティクス(日刊工業新聞)



【質問はこちらまで】
oldcolumn@bizdo.jp


■藤田憲一公式サイト■


 
■ 第41回
 インターネットマーケティング〜コミュニティ2  
 

 インターネット、とくに最近、注目を浴びているネットコミュニティがこれまでのテレビ、雑誌、新聞等の既存のマスメディアと大きく異なる点は、「企業がコンテンツを提供する」という図式から、「企業サイドが提供するのは『場』だけ」という図式へとビジネスモデルを大きく変えた点である。

 先週も触れたが、インターネットで成功しているビジネスモデルを見ると、ユーザー同士でコンテンツを提供しあうものが多く、コンテンツの課金モデルで成功しているものはいわゆる「出会い系」と「オークション」という場の提供に特化しているものに限られている。

つまり、ネットコミュニティは、

  • 運営側がいかに何もしないか。
  • 上記を可能にするような集まる人にとって魅力的な「場」をいかにして提供するか。

がキーになってくるのだ。では、このコミュニティを用いたインターネット・マーケティングのモデルと、バナー等の広告のインターネット・マーケティング・モデルの違いは何か?これを整理しよう。

 まずは、広告モデルの勝る面だが、 情報提供という面では、広告は関心を喚起することに強みを有する。一方、バナーやメールの1行広告等の限られたスペース、マス広告まで対象を増やしても、15秒や30秒のCMでは、購買に結びつく説得力まで醸成するのは難しい。

 特に、もうこの講座の読者の方はおわかりだろうが、昨今の消費不況は、モノが行き渡り、消費が「必要なもの」から、「欲しいもの」へと高次元化していることが大きな理由である。欲望が必要なものから欲しいものへとより高次元になるほど、消費者を説得するために必要な情報量も必然的に多くなってくる。また、それを満たす手段は多様でその組み合わせは複雑となる。そのため、広告のような限られたスペースだけでなく、コミュニティのような情報量の多い場で、消費者を説得する必要が出てくる。

既存の広告モデルの強みと弱み
強み:関心を喚起するパワー
弱み:限られたスペースや秒数では、
   購買に結びつく説得力まで醸成するのは難しい。

 また、そのような大量の情報を企業から一方的に発信しても顧客は聞く耳をもたないだろう。自分たちと同じ顧客が発信する情報であるから、大量の情報でも顧客は聞く耳をもつのである。また、それらの大量の情報を企業サイドが発信するのは高コストになり、非効率でもあろう。同様に多種多様な欲求を満たすための、複雑な情報でも、ユーザーに場を与えることで、ユーザーに情報を発信してもらえば、その提供も可能になる。

 例えば、多種多様な要求を捉え、企業がそれに応じた情報提供をしようとするのは無理も生じるし、不自然になるであろう。その点、コミュニティであれば、同じような欲求をもつユーザーが情報提供することでその課題をクリアできる。

 もう1つの大きなコミュニティの機能は、「顧客を識(し)る」ということである。 高度な欲求と消費が結びついたことで、企業サイドは「顧客が見えない」という悩みをもつようになった。テレマティクスの項で述べたように、自動車会社がRV車が登場した頃に、その大ヒット〜ブーム化を読めなかったことについて触れたように、企業は自社のヒット商品の予測にさえ、自信を失っているのである。

 その原因は、高度な欲求と消費が結びつき、求められる顧客に対する知識やそれに対応するための知恵が高度化。 「良いものを・・・」「安く提供」「ラニングコストがかからないもの」「壊れないもの」「競合に比べて優れたもの・・・」等々、論理的に処理できる範囲を既に越えてしまったからである。

 例えば、調査をしようにも、何を調べていいかわからない。調査の項目が企業サイドが考えたものであれば、企業サイドが想定しえないような顧客のニーズを探れないという悩みが解決されない。その点、コミュニティでは、自由な顧客のコミュニケーション、意見のやりとりが交わされ、そこから、企業サイドが思いつかないような顧客のニーズ等を探ること。あるいは、企業サイドが想定した仮説とのズレを検証することが可能であろう。

広告モデルに対する、ネットコミュニティの強み

情報量の多い場で、消費者を説得することが可能。

  • 大量の情報でも、自分たちと同じ顧客が発信する情報であるので、違和感が無い。
  • 大量の情報を企業サイドが発信するのは高コストだが、その問題が無い。
  • 多種多様な欲求でも、同じような欲求をもつユーザーが情報提供することでその課題をクリアできる。

顧客を識(し)ることができる。

  • 企業サイドが想定しえないような顧客のニーズを探れる
  • 企業サイドが想定した仮説とのずれを検証することが可能

来週は、この辺りをより深く掘り下げていきたい。

 

 



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