これまで、ネットコミュニティがいかにマーケティングに機能するかという面を述べてきたが、今週はそのキーになるコミュニティのリーダーの役割と、彼らを囲い込むひじょうにシンプルな「秘訣?」についてお話しする。
コミュニティが成り立つのは、例えば、誰かが何かを聞きたいと考えた時、それに答える人がいる必要がある。これは、ネットコミュニティだけでなく、旧来の隣近所コミュニティにも、積極的に人と関わり合いを持ちたいという「おせっかいな人」が存在したはずで、ネットコミュニティ特有の現象ではない。顧客間で自発的にやりとりが行われるには、このような、他のユーザーの質問に応えたりしてくれる人が必要である。
では、この「おせっかいな人たち」はコミュニティ活性化のキーになるのか?「NO」である。彼らはコミュニティの活性化の必要要件であるが、十分要件ではない。対話が自立的に発生させるには、ただ単に質問に応える人だけでなく、場を活性化させたり、連鎖反応を起こさせたりする人が重要であり、それがコミュニティの賑わいを継続させるキーになる。いわゆるリーダーシップのある人だが、ただ単にレスが多い人より、その人がレスをするたびに場が華やぐような人がいるのである。
では、そのような人を呼び込むためにはどうすればいいのか?それに対する私の考え方は単純である。
そのような去っていかない場を作るのである。つまり、そのような人たちにとって居心地のいい場であるために、「荒らし」といわれるような誹謗中傷を排除するということだ。インターネット上のコミュニティは色々な問題点がある。リアルの社会のように顔が見えていないし、場を活性化させるような目立つ人は誹謗中傷の対象になりやすい。単純なようだが、それらを上手く排除することが重要となる。
ネットコミュニティにはクチコミ効果の場としても期待できることは、先週述べたが、場を活性化させるよう人の意見は、そのNWを代表する意見のように捉えられ、クチコミ効果を誘発する可能性が大きい。また、ネットコミュニティに限らず、一般的に「マジョリティでは無いような出会いの場」にやってくるような人は情報感度の高い人が多い。
レコード会社が自分たちの目でオーディションをしたり、アンケート調査で売り出すアーティストを決めてもさっぱりヒットにつながらなかったのが、ライブハウスで人気の高いアーティストを売り出したり、お笑いタレントの事務所が、新人の選別を自分たちの視点で無く、小劇場に来る客の視点でふるいにかけたら、ヒットが連発したというようなケースが少なくない。
一般的にこのようなニッチで小規模な出会いの場に出かける顧客は目が肥えており、クチコミ等で社会に波及させる能力が高いのである。ネットコミュニティのリーダーが、ネットコミュニティに訪れる人に影響を与え、その人々がリアルの場で、友人知人に影響を与えているというスパイラルがみえてくる。
マンション、車、化粧品、ファッション等、人を介しての販売が中心の商品を考えて欲しい。これらは、価値判断のリスクが高い商品ばかりである。自分の意思決定において、リスクの高い商品は誰かの意見を聞くのが重要になってくる。
最近、ネットコミュニティをはじめとして、クチコミに注目が集まっているが、これまでは、販売員、営業マン等、売り手側に雇われた人から意見を聞くには隣近所、友人・知人という狭いネットワークしかなかったが、現在のように大規模なネットコミュニティが出来ると、ひじょうにニッチなニーズにも対応できるコミュニティがインターネットにいけば存在するという状態になる。こういう状況では、人々はわざわざ店で、販売側に雇われた人の意見を聞く必要は無く、自分たちと同じニュートラルな視点のユーザーから意見を聞くことが出来るのだ。
これまでで同じユーザーの意見を聞くことが出来る場といえば、洗剤や化粧品のネットワークビジネスが思い浮かぶが、彼は同じユーザーだが、店から雇われた人である。その点、現在のコミュニティは同じユーザーであり、且つ、店から雇われた人ではないのだ。
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