これまで、ネットコミュニティに限った、インターネットマーケティングを見てきたが、他のものはどうなのだろう?
例えば、EC。近年、「ECは駄目だ」と言われながら、既に100億を越えるマーケットになっている。アスクルのような大成功事例も多い。そういう意味では、一概に駄目とはいえないであろう。では、成功と失敗はどこでわかれたのだろう? 一言で言えば、ターゲット選択と商品特性だろう。「大口でなく小口。手にとって見る必要のないもの」というものが成功事例に共通していると思う。
では、ECの役割を市場規模だけで測るとその果たした役割を見誤る。実はマーケット以上にリアルの消費への支援効果という大きな役割を果たしている。いまや、ECは消費の場である以上に情報探索の場であるのだ。インターネットの市場創造に果たした役割は以下の3つであると考えられるが、
- ネットワーク 物流、情報琉を効率化
- 既存では満たされないニーズを探り、満たす
- 新たなイメージ、ライフスタイルを創出
ECの直接の売上は1だけを算出しているに過ぎず、ネットコミュニティを含め、2、3の効果を考えると役割はもっと大きいだろう。
「生産力の爆発的増大に見合った市場創造から顧客欲望拡大」というのが20世紀マーケの図式であったが、消費者の購買行動、心理分析が進み、「ライフスタイル測定〜商品開発に反映〜テレビ、雑誌で消費刺激」というセグメント化が行われるようになった。そして、近年、CRMとして、マーケティングは「個人化」に至った。そして、現在は、コミュニティという、特定の趣味のFAN同士のコミュニケーション、コミュニティのやりとりが趣味の楽しみを倍増させて、ニーズを生むという図式になっている。
AIBO等は、新たなコンセプトを市場に問い掛けるマーケ活動としてコミュニティが活用されている。また、以前、消費の高度化とは曖昧化を意味する旨を述べたが、電化製品等のものにも、ファッション、嗜好という要素が機能以上に重要となってくると、広告等でいくら説得しても説得力はない。消費者同士の共感が欲望を創出、消費を生むという図式を生むのである。
インターネットでの電化製品の購入を例えば、メーカーのサイトで行う場合、複数のサイトを比較して行うと、
- 買い手はスペックごとの適正価格を判断
- スペック、品質の評価方法を判断
しかできないが、これは機能だけが消費の意思決定の判断材料であった時には有効であったが、現在は、価格.COM等の価格比較サイトの商品別BBSで
その上で、
を行うのである。
しかし、これらの共感の醸成は自社サイトでは出来ないかというとそうではない。例えば、先にあげた、AIBOのようなサイトで作り手が共感の醸成をリード出来る。しかし、私は実はこのような多用されるAIBOの例を挙げるのは好きではない。なぜなら、それは多くの場合、ミスリードをしてしまう危険性が高いからである。
先週、コミュニティのオピニオンリーダーの話をしたが、よくある誤解にイノベーターがイコール、オピニオンリーダーであるというものがある。これは、マーケティング実務に疎い学識者等に多い間違いであるが、イノベーターはマーケティングの実務者にとっては、多くの場合、バイアスでしかないことが多いのである。AIBO、デザイナーズマンション、個性的な車、一部のハイテク商品等、イノベーターが重要なコアターゲットである商品もあるが、多くの「普通の」商品では、イノベーターの意見は、突出しすぎていて、商品開発等の意思決定にバイアスを与えてしまいがちなのである。
イノベーターはお洒落なイノベーターも含めて、ある意味、その道の「おたく」であり、オピニオンリーダーとは異なる。
多くの普通の人にとって、イノベーターすぎる人の意見は参考にならない。ネット、リアル問わず、コミュニティのイノベーターとは、自分たちより少し進んだ人であり、真似をしたい人である。
ヒット商品とは、クリティカルマスをヒットする商品である。クリティカルマスの瞬間、少数派グループが多数派に転じ、その瞬間、多数派が非常識化し少数派に転落するのである。
DVD、MD、携帯電話、デジタルカメラ等を考えてみるとよくわかるだろう。コミュニティを活用する際も、目立つイノベーターの意見ばかり拾ってしまうのでは、逆効果
である。
このように、オピニオンリーダーとは、どのようなタイプの人であるかを認識しておくことは非常に重要である。
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