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講師紹介


藤田憲一
(ふじたけんいち)

1970年生まれ。ダイレクトマーケティング広告会社、大手広告会社、シンクタンクを経て、現在(株)JMARCH取締役CEO(女性サイトとしては国内最大級の書込数を誇るコミュニティを運営)、(株)ニューズウォッチ情報事業部長(東芝、電通、三井 物産、凸版、ニューズエッジ、新規事業投資の6社のJV。ニュースクリッピング。国内2位の検索エンジンフレッシュアイの運営を行う。)、(株)NCI代表取締役社長 (テキストマイニングを用いた戦略コンサルティング事業を行う)に就任。
主要著書
驚くほどマーケティングが身につく本(中央経済)/よくわかるCRM(日刊工業新聞)/テレマティクス(日刊工業新聞)



【質問はこちらまで】
oldcolumn@bizdo.jp


■藤田憲一公式サイト■


 
■ 第47回
 インターネットマーケティング〜コミュニティ8  
 

 今週は、コミュニティをビジネスに活用するという面でお話する。

 コミュニティをビジネスに活かす上で重要になるのが、企業とコミュニティの温度差である。これは、やっとの思いでデートにこぎつけて、「今夜、決めてやる」と意気込んでいる男性と、「どうせ暇だし、高価なものをご馳走してくれるなら、ま、いいか」という気軽な気持ちでデートに望んでいる女性とのテンションの差を考えるとよいだろう。こういう場合、えてして性急にことを急ぐ男性に対し、女性が違和感を感じるという結末を迎えることが多い。少し、下品な表現になるが「どうせ、やりたいだけでしょう?」となるわけだ。コミュニティの企業の参加も同様で、コミュニティにいきなり、企業の思惑が入ると、「どうせ売りたいだけでしょう?」と逆効果になるわけだ。

 以前は、企業の論理というのは、ある意味、容認されていた。例えば、企業の不祥事が昨今、毎日のように報道されるのは、イコール、モラルの低下が激しいと片付けるのは稚拙に過ぎる。実際は、「企業と生活者の関係が変化した」のである。しかし、「企業と生活者の関係が変化した」ことで影響するのは、このようなリスクに直面した時だけではない。企業活動のあらゆる場面で、これまでは許されていた企業の論理が拒否されるようになったのである。

 これまでは、「企業の常識=世の中の非常識」と思われながらも、情報発信する術も無く、それを不本意ながらも受け入れるのが生活者の取るべき唯一の道であったが、生活者が情報発信力を持ち、状況が大きく変わってきたのだ。企業にとっては、その事実を直視し、これまでの企業の論理がマイナスに捉えられてしまうという事実に危機感をもつことが大事である。生活者の価値観はどのように変化したかを知り、その価値観の変化により、自社はどう対応すべきか?を考えた上で、必要となる企業活動を策定すべきである。

 企業のコミュニティ参加もまさしく同じである。企業がコミュニティをビジネスに活用する上で、よくおかす間違いは、コミュニティへの参加者と、企業のビジネスの目的の違いを整理せず、そこに温度差が生んでしまうことである。

 例えば、以下のようなことである。

〔ユーザー〕
・ 情報獲得
(これ、わからないのだけれど、誰か教えてくれないかな?いい情報ないかな?)
・ 情報発信、交流
(リアルでは見つからないニッチな趣味の仲間が見つかった)
・ コミュニケーションによる価値創造
(こんなことできたらいいな?
 という議論から具体的なサークル活動=オフ会に発展。)
・ コミュニケーションによる価値交換
(こんなことが出来たらいいな?というニーズの提議に応える人が現れて、
 サービス提供と対価の提供が交換された。)
・ 問題解決 (悩みを解決したい。)

〔企業〕
・ 販促をしたい。
(しかも、即効性、費用対効果が見えないと社内に説明が出来ない…)
・ 消費者のニーズ等を情報収集したい。
(遠回りでなく、直接的に商品開発、
 広告コンセプト等に使えるわかりやすい聞き方をしたい。)
・ サポート
(コストのかかるインバウンドのテレマーケティングより、
  とにかく低コストで手間をかけたくない。
  逆にコストや手間がかかるようでは論外。)
・ サービス開発
(ユーザーが自分たちでニーズを議論してくれて、商品開発のヒントになって、
 しかも、彼ら同士のクチコミで売れて欲しい。)
・ ロイヤリティー獲得
(サイトのファン=当社のブランドのファンになって欲しい。)

 このように、企業とコミュニティユーザーの間には大きな乖離がある。このような水と油のような関係を、スムーズにするには、まずは信頼関係の醸成が必要である。その際、生活者と企業が対等の関係で対話することが必要である。その後で、企業側のメリットと生活者側のメリットが融和するようなコンテンツを考えるとよい。

 来週はコミュニティの最終回である。その実例をいくつか挙げたい。

 

 



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