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講師紹介


藤田憲一
(ふじたけんいち)

1970年生まれ。ダイレクトマーケティング広告会社、大手広告会社、シンクタンクを経て、現在(株)JMARCH取締役CEO(女性サイトとしては国内最大級の書込数を誇るコミュニティを運営)、(株)ニューズウォッチ情報事業部長(東芝、電通、三井 物産、凸版、ニューズエッジ、新規事業投資の6社のJV。ニュースクリッピング。国内2位の検索エンジンフレッシュアイの運営を行う。)、(株)NCI代表取締役社長 (テキストマイニングを用いた戦略コンサルティング事業を行う)に就任。
主要著書
驚くほどマーケティングが身につく本(中央経済)/よくわかるCRM(日刊工業新聞)/テレマティクス(日刊工業新聞)



【質問はこちらまで】
oldcolumn@bizdo.jp


■藤田憲一公式サイト■


 
■ 第48回
 インターネットマーケティング〜コミュニティ9  
 

 さて、先週、企業の論理と消費者サイドの認識のズレについてお話した。

 この水と油のような関係を、スムーズにするには、まずは信頼関係の醸成が必要で、その上で、企業側のメリットと生活者側のメリットが融和するようなコンテンツを考える必要があると話した。では、具体的に言えば、どういうコンテンツがあるのだろうか?

 最近、数週間、ネットコミュニティについてお話したが、話の本質は、企業とユーザーのコミュニケーションであり、何も、ネット上にこだわらず、リアルのコミュニケーションも含めて考えるとよい。 例えば、伝統的に行われてきたリアルの消費者と企業のふれあいの場として、新商品キャンペーンや展示会等のリアルのイベントがある。

 これは、顧客との実際に顔を合わせての対話の場であり、今後も重要であることは言うまでもない。その他、スーパー、百貨店、量販店等の流通の現場へ出かけていっての販売。例えば、対面での消費者へのアドバイスやデモが行える、店頭でのフィールド及びデモ販売等。その他、リアルのお客様相談センターでのやりとり等、実際に顔を合わせての対話の場も重要である。

 1つ、認識しておくべきことは、インターネット上のコミュニティ等が普及した現在、これまでとコミュニケーションのルールが変わったことは認識するべきである。例えば、「面と向かっての1対1は顧客にとって敷居が高い。」という事実。 特に、販売とリンクした場では尚更である。これまでは、他に手段がないので、商品開発のヒントのヒアリング、商品の推奨、あらゆるシーンでこの1対1のコミュニケーションを行ってきた。こういう場合、コミュニティを活用すれば、顧客にとって自由度の高い、圧迫感の少ないコミュニケーションが可能である。また、リアルで行っていたイベントやインタビュー等も時間、距離に束縛されないユーザーの参加が可能である。また、ユーザー同士の触発により新たな価値創造も期待できる。これまでもグループインタビュー等でそれは可能であったが、ユーザーの数が全く違ってくる。その際、重要なのは、先週もお話したが、企業の論理を忘れることである。
 リアルのイベントにしろ、ネットのイベントにしろ、居心地の悪い、警戒心を抱かせるようなコミュニケーションは上手くいかない。特に、ユーザー側がコミュニケーションに多数のオプションを持つようになった現在、達成したいことだけが前面に出てユーザーにメリットのないコミュニケーション(例えば、情報提供、販促、会員化等、目的が露骨なイベントやキャンペーン)は難しくなってきている。優秀な販売員はみな話し上手、聞き上手である。話上手や聞き上手とは、「あの人と話すと気持ちいい」と思わせる人だ。そういうのうは、個人のパーソナリティによるところが大きいと思われがちだが、「ためになる情報」、「面白い話」、「いい気持ちにさせる」ということを心がければよい。

 ユーザーサイドへのインセンティブというのは、決して金銭的や物的なメリットだけではない。 気持ちいいコミュニケーションはユーザーにとって最大のインセンティブとなるし、参加意識を持ってもらうことでそれも可能になる。例えば、とくっち.COMでは、リアルのイベントとサイト上のコンテンツを連携してコミュニケーション・サービスを企画している。例えば、飲料、食品、トイレタリー等でよくキャンペーン抽選会を行っている。私も広告会社の時代、大型キャンペーンが一番、売上が高くなるので、そういう企画には力を入れていた。トップクラスのキャンペーンの場合、取材などで、その抽選会の模様が報道されたりするが、そうで無い場合は、ほとんどクローズドで抽選会が行われる。あるとき、消費者の声で、「本当に抽選会ってきちんと行われているか疑問だ?」という声があった。そこで、ユーザーからキャンペーンの消費者代表を選んで、キャンペーンの抽選会に派遣し、その模様をサイトのコンテンツとして提供するというサービスを企画して提供している。これ等は、まさに、販促が目的なのだが、それだけではなく、ユーザーに参加意識を持ってもらって、且つ、企業のプロモーションに役立ったという消費者にとってもメリットになる。消費者とのコミュニケーションは、企業がお金を出して企画するには、それに目的があるのは当然である。それを上手く、ユーザーのメリットに転換してあげることがリアルだろうが、ネットだろうが重要なのである。

 もう1例、とくっちで提供しているサービスの企画だが、リアルの消費者参加イベントとの連携という切口のものもある。例えば、化粧品会社にとって、これから、化粧を覚えようとする高校生くらいの顧客は、CRM的に言うと、LTV(ライフタイムバリュー=生涯顧客)最大化のために、最重要な顧客である。彼女らを対象に、化粧美人コンテストを行い、それをサイトのコンテンツにするなどは、企業サイドの目的とユーザのメリットが上手く合致するものである。これは同様に大手着物メーカーでの成人式のファッションショー、紳士服メーカーの写真撮影会等といった企画も同様のものであり、ユーザー、クライアント双方に好評を受けている。

 

 



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