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講師紹介


藤田憲一
(ふじたけんいち)

1970年生まれ。ダイレクトマーケティング広告会社、大手広告会社、シンクタンクを経て、現在(株)JMARCH取締役CEO(女性サイトとしては国内最大級の書込数を誇るコミュニティを運営)、(株)ニューズウォッチ情報事業部長(東芝、電通、三井 物産、凸版、ニューズエッジ、新規事業投資の6社のJV。ニュースクリッピング。国内2位の検索エンジンフレッシュアイの運営を行う。)、(株)NCI代表取締役社長 (テキストマイニングを用いた戦略コンサルティング事業を行う)に就任。
主要著書
驚くほどマーケティングが身につく本(中央経済)/よくわかるCRM(日刊工業新聞)/テレマティクス(日刊工業新聞)



【質問はこちらまで】
oldcolumn@bizdo.jp


■藤田憲一公式サイト■


 
■ 最終回
 インターネット時代の広報戦略3  
 

 先週は過去とインターネット時代の現在の広報の違いをまとめて、お話しました。今週は、そんなスピード重視のインターネット時代、問題が発生した際、どのような対応をとればいいかをお話します。

 インターネット時代は、匿名BBSなどで問題の書き込みを見逃すと、書き込みが増殖していくなど、秒針が時を刻むごとに問題が悪化してしまうことが少なくありません。そして、対応の遅れは、同時にリスクに対応する機会をひとつずつ消失していくことを意味します。その際は、しっかり、問題の状況を認識し、適切な対応をしないと、焦点を外した行動はイコール、「責任回避」と見られます。また、後手、後手の対応をすると、ユーザー、取材対応者等につけいる隙を与えてしまい、企業イメージを損なうことになりかねません。それを防ぐために、「匿名コミュニティを怪しげな情報」と敬遠しないで、これらの情報とも日々、接し、問題発生時に深く、早く理解していくことが重要となります。

 先週もお話しましたが、広報の場合、その巧拙で、ブランドに致命的なダメージを与えてしまう可能性があります。そのため、優れたブラマネは、広告、宣伝、販促のうち、広報が1番重要と考えています。また経営陣でも、以前は企業の競争力で最も重要なものは、「技術」だと考えていましたが、近年は、人的資源に次いで広報を重要と考えている傾向があります。よくマーケティングや広報の上手い企業は強い企業であるといわれます。

 マーケティング、広報にかける1ドルは一般的に収益の5ドルに相当するといわれています。特にインターネット時代は広報の役割が重くなりました。 パブリシティの収益への影響が「スケーラブル(測定可能)」且つ、「インスタント(即時)」になったといわれます。例えば、新商品やCEOがメディアに取り上げられたとします。 現在のようなインターネット時代では、その瞬間のサイトアクセスが大幅に増えます。

 しかし、それは、いいことばかりでなく、リスク対応が大変になったことを意味します。例えば、零細企業が匿名サイトの中傷で、想定外のアクセスを受け、サーバがダウンすることが日常的に起こっています。つまり、広報はリスクマネッジメントのために、「インターネット時代への適応力」を身につけることが必須になったと言えます。危機に直面した時に「即時に」且つ「効果的に」メッセージを外部発信することが重要です。また、その対象も、これまでの対象とは異なってきたことを十分、認識しなければなりません。これまでは、報道機関だけをフォローすればすみましたが、現在は、一般ユーザーも情報発信の能力を持っています。彼らに対しても、誠実に、迅速に情報提供しなければなりません。その際、よくあるケースが、全て、自分たちで行おうとして、無理を生じさせてしまっているケースです。これらは、必ずしも、自分達で情報収集する必要はなく、コスト対効果を最大化する外部リソースの引き出しを持つことが重要となります。また、情報を収集するだけでなく、リスク情報を社内で共有することが必要となります。

 リスクに直面した際、企業担当者の「無責任」な対応が、問題となることが少なくありません。これらの温床になりがちな「無責任症候群」の人間を排除することが重要となります。ニュースで不祥事の際、どういった対応が事態に油を注ぐことになっているか考えてみてください。また、社内での問い合わせ対応で問題が大きくなっているケースを考えてみてください。

  • 私は担当で無い
  • 私は知らない
  • 事態を把握しない無責任な対応

こういった対応が大抵、問題を大きくしてしまっているものです。これらを防ぐためには、問題を全社で共有し、各部門ごとに広報との付き合いを密にし、どの部門の社員であれ、対外発信や外部とのコミュニケーションに責任を持つことが重要であると思われます。

 これまでは、優秀なスポークスマンという役割がCEOにも求められていました。しかし、ネット時代は、いくつもの事業部を統括するCEOでは、対応が遅くなる恐れがあります。ですので、各部門での情報共有を徹底し、各部門と広報の連携で対応することも重要になります。CEOの役割は代弁と致命的になりそうな速度の問題にメスを入れることです。

 例えば、稟議等のルールの問題や組織の問題。緊急時に予算の承認に時間がかかって、致命的なことになったのではしょうがありません。同様に、承認に時間がかかる、緊急時のフレクシブルな対応が出来にくい組織ではしょうがありません。その辺りだけは、事前の準備、つまり、緊急時に想定される稟議の問題、組織の問題、その際に承認を迅速に行う体制の整備は重要です。

 いずれにせよ、後手の対応は致命的なわけですが、広報やマーケティングに強い企業というのは、それらの情報を常に収集して、リスク管理だけでなく、商品開発やマーケティング戦略の参考情報として活用しています。詳しい広報に関する資料をご希望の方がいらっしゃいましたら、私がさる10月24日に国際フォーラムで行った、「インターネットを活用したブランド情報マネッジメント」の講演資料を進呈します。尚、ニューズウォッチの情報分析事業部では、所有する検索ポータル、フレッシュアイによりインターネット上の定性情報を収集し、分析して時系列でお届けするサービスを提供しており、国内各大手企業にご導入いただいております。こちらも併せて、ご希望の方はfujita@newswatc.co.jpまでお願いします。

尚、文末にはなりましたが、この一年間、受講、どうもありがとうございました。受講者の皆様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。

 

 

 



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