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講師紹介


藤田憲一
(ふじたけんいち)

1970年生まれ。ダイレクトマーケティング広告会社、大手広告会社、シンクタンクを経て、現在(株)JMARCH取締役CEO(女性サイトとしては国内最大級の書込数を誇るコミュニティを運営)、(株)ニューズウォッチ情報事業部長(東芝、電通、三井 物産、凸版、ニューズエッジ、新規事業投資の6社のJV。ニュースクリッピング。国内2位の検索エンジンフレッシュアイの運営を行う。)、(株)NCI代表取締役社長 (テキストマイニングを用いた戦略コンサルティング事業を行う)に就任。
主要著書
驚くほどマーケティングが身につく本(中央経済)/よくわかるCRM(日刊工業新聞)/テレマティクス(日刊工業新聞)



 
■ 第5回
 マーケティングの4P  
 

 前回、マーケティング戦略を3C、つまり、企業(Company)、消費者 (Consumer)、競合(Competitor)という3つの視点で整 理することを学んだ。

 今回は、この3C、つまり、企業(Company)が、消費者 (Consumer)に対して、競合(Competitor)と差別化され た戦略をとるために、 ・ 製品(Product)をどのように開発し、

・ それをいくら(Price)で、
・ 且つ、どこ(Place)で売るか、
・ そのためにどのような手段で情報を伝えるか(Promotion)

という視点での戦略の整理の仕方を学んでいく。

 このような組み合わせを4P、あるいは、マーケティングミクスと呼ぶ。 戦略の策定には3Cを構成する「内部分析」「競合分析」「顧客分析」を行なったうえで、この「4P」の最も効果的な組合せを模索することが重要である。 このような組み合わせを『マーケティングミクス』と呼ぶ。以下、それぞれの要素について解説する。

●Product/「製品政策」
製品をいかに企画し、開発するか? 単純に性能、機能が優れているだけではなく、市場、消費者のニーズにあって いて、且つ、競合と差別化されていることが重要。

●Price/「価格政策」
最大市場である適正価格を狙うのか?競争の視点からあえて低価格にするのか? それとも付加価値を訴求し、あえて高価格を設定するのか?コストだけでなく、需要、製品特性、流通ルートから、「顧客の認識する価値」 に基づいた価格設定が必要。

●Place/「流通政策」
スーパー、コンビニ、デパート、どの販売チャネルを選ぶのか、あるいは卸経 由の小売でなくEC、通 販等の直販を選択するのか?代理店販売をするのか? 等も選択する。

●Promotion/「広告、プロモーション政策」
広告、宣伝、PR、セールスプロモーション活動の全般を指す。

 マーケティングミックス=マーケティングの4Pとは一体何なのだろうか。まずは下の図を見て頂きたい。

1.Product「製品政策」
 キーは機能、性能の優劣よりも、消費者のニーズにあっていることや競合に対しユニークであること。

2.Price「価格政策」
 コストを積み上げて行く、作り手本位のの算定でなく、需要、製品特性、流通ルートから、「顧客の認識する価値」に見合った価格設定がキー。

3.Place「流通政策」
 (1) 販売チャネルの比重選択=スーパー、コンビニ、デパート等
 (2) 販売方式の選択及び比重づけ=直販か?小売か?代理店か?

4.Promotion「広告、プロモーション政策」
 TV、ラジオ、新聞、雑誌等の媒体、SP、イベント、屋外広告、DM、eメール、WEB等、最も効果 的な広告、販促活動を組み合わせることがキー。

 では、具体的な4Pの組み合わせの例を見ていこう。

 まずは、PRICE(価格政策)特化型。
 この戦略は、市場にトップブランドが存在する場合、用いられることが多い。トップブランドに対し、価格を安くし競争力を持とうというものであり、4Pの比重は、広告コスト等を削減し、店頭でトップブランドと比較、検討してもらおうという手法である。
 では、それに対し、トップブランドは価格値下で対抗するのか? 答えはNOであることが多い。価格値下に追随すればブランド価値を下げることにつながりかねないため、プロモーション等で対抗することが多い。

 次に、PLACE(流通政策)特化型。
 これは「顧客コンタクトのボリュームで勝負する」場合と、「コンタクト機会のクオリティーで勝負する」場合の2つに分かれる。まずは、コンタクト・ボリュームという点であるが、これはビールの市場を思い出していただければ分かりやすい。
 以前は、ビール市場はキリンが圧倒的なシェアを占めていたが、これは飲食店という流通ルートを押さえていたからである。それに対し、近年、アサヒがシェア首位を奪ったのは、コンビニという新たなビールの消費の場を押さえたからである。この他にも、車ならディーラーの数が多い。清涼飲料水なら自動販売機の数が多い、商品なら売り場で目につくところに陳列されている等々…。顧客とコンタクトする機会の多い少ないは、シェアに直結することが少なくない。
 では、そのようなコンタクト機会が少ないブランドは勝ち目がないのか? 答えはNOである。そのような場合、コンタクト機会のクオリティーで勝負するのである。コンタクト機会のクオリティーで勝負するのというのは、例えば、ドレッシングや焼肉のタレを調味料の棚に陳列させるのでは、陳列位置、ボリューム、ブランド力等に影響される。しかし、ドレッシングを野菜売場、焼肉のタレを精肉売場に置くのではどうだろう?この他にも、家電製品を1人暮しセットとして、グルーピングしたり、「他と違う土俵で戦う」ことで、顧客との少ないコンタクト機会のクオリティーを最大化することで、流通支配力やブランド力を凌駕することも可能であろう。

 3つ目はPROMOTION(広告、販促施策)特化型。
 これは、価格もサイズも販売場所もほぼ同じような商品が差別化を測るのに用いられることが多い。 例えば、缶コーヒーはどれも同じようなサイズで価格も120円である。味もメーカーサイドが期待するほどには消費者も違いが分からない。そのため、ボスやジョージアのキャンペーン等、大型キャンペーンに膨大なコストが投下されるのである。また、これらのケースではPRODUCT(製品政策)特化型が用いられることも多い。缶コーヒーや清涼飲料水のペットボトルが頻繁にモデルチェンジされたり、度々、新商品が投入されるのは、少しでも消費者の関心を惹こうというものである。
 しかし、これらの多くが失敗に終わるのは、PRODUCT(製品政策)の基本、「機能、性能の優劣よりも、消費者のニーズにあっていることや競合に対しユニークであることが重要」という視点が欠けていることが原因である。
 PRODUCT(製品政策)の成功例としては、29色のフリースで、これまでのメーカーの視点「こちらが用意したものにあわせて下さい。」というのではなく、あくまで「消費者のニーズを優先する」という視点を感じさせたユニクロであるとか、パソコンがスペック競争オンリーであった時代に「デザイン」、「楽しみ方」を訴求して、指名買いの絶対的ポジションを得たソニーのVaio等の例があげられる。

 

 



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