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講師紹介


渋井真帆
(しぶいまほ)

1971年生まれのB型。茨城県出身。現在、金銭教育コーディネーターとして間接・直接両金融分野の実務経験を活かし、講演・セミナーや雑誌等への執筆を中心に消費者へのマネー・リテラシーを啓蒙中。また20代〜40代女性を対象に金銭・投資教育、キャリアアップ支援のためのマネースクール「女のたしなみマネー塾」の主宰も務める。現在夫と2人暮らし。趣味はダイビング、ゴルフ、女性の歴史本購読。





 
■ 第20回
 個人向け国債ってどうなのよ?  
 

1.個人向け国債

 2003年2月3日から、個人投資家にとって新しい運用対象が登場しました。何!知らない?ちゃんと新聞読んでいますか(笑)?

 新たな運用投資対象として登場したのは、「個人向け国債」です。 国債の説明は以前、このコーナーでもお話しました。エッ!覚えていない?そんな人のためにちょっと復習しましょう。

 国債とは、簡単にいえば国がお金が必要な時に発行する債券のことをいいます。ちなみに「債券」とは、お金を借りるときにその証拠して発行する証券のことです。主に税収不足から生じる赤字を埋めるために発行される赤字国債と、道路や橋の建設のために発行される建設国債などがあります。

 国は国債保有者に対して、購入時に約束した利率の利子を半年毎に利払いし、満期になれば借りたお金を返します。
 債券は借金証書。ということは、債券投資の場合資金の借り手が破綻してしまえば貸したお金はパーになってしまいます。こうしたトホホが起こる可能性を債券の『信用リスク』といいますが、2001年に発生した米エンロン社の破綻のあおりを受けてMMFや中国ファンドが元本割れを起こしたのは、この信用リスクが顕在化したものといえます。

 とはいえ日本国債の場合、資金の借り手は日本国そのもの。日本が数年前のアルゼンチンのように破綻してしまえば国債もパーになってしまいますが、そうした可能性は今のところ現実的ではないといえます。なぜって?それは国には「税金で補填」という伝家の宝刀があるから。不況のあおりを受けて税収が減っているって?だから消費税UPの話が出てきたわけです。つまり国債の最大の魅力は、国の信用力というバックボーンによる『安全性』。

 銀行が潰れる時代、しかも定期預金対象とはいえペイオフが施行され、とどめに超低金利の時代、国債は安全志向を強めた投資家に人気です。預貯金よりも利回りがいいし…とはいえ、若干ですが。けれど従来の国債は購入単位がひと口5万円から。つまり5万円以上出さないと買えませんでした。なかなか高価な金融商品です。ですから、購入するのは専ら金融機関などの機関投資家や一部の富裕な個人。さらに基本は満期まで保有することが前提なので、途中で売却したい時には金融機関に時価で買い取ってもらう必要がありました。時価というのは、国債には新発市場と既発市場があり、新発すなわち新規発行の時は額面価格で売買されますが、それ以外の既発物に関しては市場価格が時価となります。マンションや戸建てなどの中古物件市場と同じと考えていただければイメージしやすいと思います。

 中古物件は、マーケット情勢次第で購入時より高い価格で売れる時もあれば安い価格で売れてしまうこともあります。国債の中途売却も同様。その時の金利状況次第で価格が大きく変動します。こうした価格変動リスクも一般の個人が国債に手を出しづらい理由のひとつでした。

 けれど、財務省は個人投資家の国債保有を促したい!なぜなら、今後発行が増えつづける見込みの国債を安定的に消化したいためです。万が一売れ残っては金利の急上昇を招きかねません(その理由は以前ご説明しました)。ただでさえ不況で多くの企業が青息吐息なのに金利負担が増えたら、ますます日本経済はドツボにはまってしまいます。だから国債を購入してくれる新たな顧客を開拓しなければいけない!そこで目をつけたのが個人というわけです。だけど個人にとって従来の国債は使い勝手がよくない。というわけで、一般の個人にも魅力を感じてもらえるように改良したのが、2月3日から募集が開始された個人向け国債というわけです。


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