2.大人のたしなみとして覚えてほしいこと
ところで、自動車や電機、通信セクターについては、投資目的だけでなく、大人のたしなみとして押さえておきたいものです。なぜなら、自動車、電機、通信産業は日本の基幹産業といわれる産業で、従業員の数が多く、株式の時価総額も大きいため、その動向が景気に与える影響が大きいからです。
たとえば自動車産業は自動車メーカーから、部品の製造、ディーラー、運送業、ガソリンスタンドなどの関連産業まで含めると、その就業人口は537万人に上り、日本の全就業人口6,412万人の8.4%を占めています。また自動車の年間輸出額は9兆7800億円で日本の総輸出額48兆9800億円の20.0%を占めていますし(2001年の統計)、日本企業の利益トップはトヨタで1兆円以上の利益を上げています。
つまり自動車が売れれば、川上の原材料メーカーや部品を製造している部品メーカーも潤うし、川下の運送業者も潤います。言い換えれば、原材料セクターも部品セクターも輸送(運送)セクターもエンドユーザーは企業、この場合は自動車セクターに属する企業というわけです。
余談ですが、マホは日経新聞に毎月掲載される「新車販売動向」の記事が大好きです。新車販売の売れ行きベストテンのデータが載っているからです。データを見れば、どのメーカーの新車が売れているのかが容易に分かります。その結果1番売れているメーカーの株を買う……なんてことはマホはしません。それでは自動車セクターを学んだ意味がないというもの。ある自動車メーカーが儲かれば、そのメーカーと取引している原材料メーカーや部品を製造している部品メーカー、運送業者の儲けも増えます。マホが買うのはそれらの株です。そして、自動車メーカーの株の上げ下げが一巡して今度はその周辺セクターの株に人々の関心が向いたその時、自分が保有している株式を売却して利益を確保します。
こうした投資手法は、セクターについて学んでいるプロたちからは「手法ともいえない!」と指摘を受けそうなくらい常識(そんなことも知らなければ、そもそもプロにはなれません)。けれど経済や金融の基本的な枠組みや考え方を学ぶ機会に巡り合えないまま株式投資に挑戦してしまった人には、意外と知られていません。
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