前回お話した通り、1989年のベルリンの壁崩壊を契機に、ヒト・モノ・金・情報が資本主義に基づいて、ITの力も借りて世界中を動き出しました。その流れの中、次第にルールが各国によって違うことが問題視されるようになりました。当然、ルールを統一しようという動きがでてきます。
1.国際会計基準
例えば国際会計基準。これは世界中でお金を動かしたい投資家のニーズを受けたものといえます。
IT化によって投資家たちは、自国にいながらにして海外の市場に直接投資をすることが可能になりました。彼等の投資の主たる判断材料は企業の発表する財務資料です。しかし各国によって会計基準が異なりますから、企業の発表する財務諸表のフォーマットも当然異なります。世界中でお金を動かしたい投資家にとっては、会計基準が統一されたほうが効率的に投資判断ができるので有り難いです。そこで、こうしたニーズを受けて導入されたのが国際会計基準といえます。この国際会計基準によって日本の上場企業は、これまでの簿価会計(取得した原価で評価する原価主義)から時価会計(主に企業が保有する金融商品を時価評価する時価主義)への転換を迫られました。
私たちにとって国際会計基準の導入が与えた影響が最も大きかったものは、退職給付会計ではないでしょうか。退職給付会計※が導入され、退職金給付債務から年金資産を控除した(差し引いた)金額を、企業は退職給付引当金として計上しなければならなくなりました。要は、企業にとって退職金給付債務は財務上大きな負担になってしまったのです。当然企業は退職金給付債務を減らそうと動きます。その結果が401Kや退職金の前払い制度の導入です。
※退職給付会計
これまでの企業会計では、将来支払う退職金や年金を正式な債務として認識していな かったが、平成12年度決算から退職給付の支給方法や退職給付の積立方法の違いに関 係なく、一定期間の労働対価等の事由に基き、企業が将来負担すべき退職給付額のう ち、期末までに発生している部分を退職給付に関する債務として財務諸表に計上する 会計方法。
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