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講師紹介


渋井真帆
(しぶいまほ)

1971年生まれのB型。茨城県出身。現在、金銭教育コーディネーターとして間接・直接両金融分野の実務経験を活かし、講演・セミナーや雑誌等への執筆を中心に消費者へのマネー・リテラシーを啓蒙中。また20代〜40代女性を対象に金銭・投資教育、キャリアアップ支援のためのマネースクール「女のたしなみマネー塾」の主宰も務める。現在夫と2人暮らし。趣味はダイビング、ゴルフ、女性の歴史本購読。





 
■ 第50回
 決算書よみこなし隊 その5  
 

 今回は決算書のよみこなし方、実践編です。決算書という道具の詳細は知っていても、“使いこなし方”を知らなければお話になりません。けれど使いこなし方を学ばずに分かったつもりになっている人は意外に多いようです。

1.“比較”してこそ財務分析!

 よく、1つの会社の決算書だけ見て、眉間にしわを寄せているおじさんがいますが、私はあれはポーズだと思っています。なぜなら、決算書を読む、すなわち財務分析する時は、“比較”していないと読んでいることにならないからです。1社の決算書を、しかもたった1期分だけ見ている人は、本当のことはわかっていないことが多いと思います。では、何と比べるべきなのでしょうか。ポイントは3つあります。

(1)同業他社と比較する
 業種のことをセクターと呼びますので、セクター分析と言います。

(2)過去と現在を比べる
 1つの会社の過去と現在を比べて、よくなっているのか、悪くなっているのかということです。

(3)大切な指標は何かを意識する

 企業の属する業種や取り扱う商品の内容によって、決算書は全く違うものになります。銀行業と商社の決算書を比べても、全然違うのでわけがわかりません。だから、まずは(1)の同業他社で比較するべしという鉄則があるわけです。

 例えば、メーカーで工場を持っていると、貸借対照表の固定資産が多くなる傾向があるし、電力会社や鉄道会社は、発電所や駅といった大規模な設備が必要なので、固定資産はもっと膨れ上がります。反対に、ソフト開発の会社は、固定資産はほとんど必要ありません。工場も要らないし、本社も賃貸かもしれません。しかし、人が中心の業態ですから、損益計算書の人件費が大きくなります。

 同じ小売業でも、扱う商品によって決算書の特徴が違います。たとえば、宝石のように高額で長持ちするものと、生鮮食品のように安くて長持ちしないものでは、貸借対照表上の棚卸資産の金額が変わってきます。生鮮食品スーパーで棚卸資産(つまり在庫)が多かったらこれは変ですよね。逆に宝石は、その性質上どうしても棚卸資産、在庫が増えてしまいます。

 このように決算書は業種や取扱う商品によってそれぞれ特徴があります。財務比較は、なるべく同じ業種で同じモノを取扱っている会社同士で比べるのが“読みこなし”のお約束です。

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