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講師紹介


渋井真帆
(しぶいまほ)

1971年生まれのB型。茨城県出身。現在、金銭教育コーディネーターとして間接・直接両金融分野の実務経験を活かし、講演・セミナーや雑誌等への執筆を中心に消費者へのマネー・リテラシーを啓蒙中。また20代〜40代女性を対象に金銭・投資教育、キャリアアップ支援のためのマネースクール「女のたしなみマネー塾」の主宰も務める。現在夫と2人暮らし。趣味はダイビング、ゴルフ、女性の歴史本購読。






 
■ 第4回
 不良債権の誤算  
 

  こんにちは!キャプテンマホのクルージング経済学へようこそ。 今回は本来のテーマをお休みして、旬の“不良債権問題”についてお話したいと思います。

1.不良債権ってなに?

 そもそも“不良債権”とは一体何でしょう?それを理解するためにまずは銀行の役割について再確認しましょう。
 銀行は、預金者(主に個人)から資金を集めて貸出先(主に企業)にお金を貸し出します。企業は借りたお金で工場を作ったり、店舗を作ったり、商品を開発します。これが銀行の基本的役割のひとつでもある「資金の仲介機能」です。

 ところで、借入先の企業の新商品がヒットしなかったり、競争が激しくて商品の値段が下がったり、外国から安い商品が入ってきたりする理由で売り上げが上がらず企業が赤字になってしまうこともあります。赤字になると入ってくるお金よりも出て行くお金の方が多いので、銀行から借りたお金は返済できなくなります。銀行にとっては貸したお金がとりっぱぐれてしまうことになります。このとりっぱぐれた(もしくはとりっぱぐれる可能性がとても高い)貸出金のことを不良債権と呼びます。

 金融機関では、金融検査マニュアルに基づいた「自己査定マニュアル」を作成して、半年に1度のペースで資産査定を行っています。自己査定とは、金融機関が「取引先企業をいくつかの基準で徐々にふるいにかけ、そのプロセスの中で、各企業の債務者区分や債権分類区分を決定していく」ことだと考えれば分かり易いと思います。債務者区分には「正常先」、「要注意先」、「破綻懸念先」、「実質破綻先」、「破綻先」の5つがあります。また、債権の分類とは、金融機関が、債務者区分に従い、債権の担保および保証等による調整を行い、分類対象外債権の有無を検討の上、貸金などの債権を回収の危険性等に応じて「非分類」、「II分類」、「III分類」、「IV分類」(む、難しい・・・!)の段階に分類することをいいます。


【区分別による不良債権額・分類の大きさ(2001年3月末・全国銀行)】



【不良債権残高の推移(全国銀行)】

 ちなみに通常不良債権と呼ばれているものは、債務者区分の内の破綻先、実質破綻先、破綻懸念先、要管理先(要注意先の中でもリスクが重い先)への貸出金です。現在およそ40兆円ほどあります。TVのニュース番組のコメンテーターの中には「不良債権は40兆円にとどまらない。実は100兆円ある」とおっしゃる方もいますが、これは表現的に誤っています。100兆円は要管理債権以外の要注意先の貸出金も含めた合計で、正確には問題債権と呼ぶべきものです。ちなみに要注意先に認定されたからといって危ない企業というわけではありません。要注意先認定企業の中には、返済も利払いもしっかり行っている企業も数多くあります。そんな会社が不良債権呼ばわりされるのは何だか腑に落ちません。

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