1.楽園の崩壊
今週はクリスマス・ウィーク。今回は少々本筋から外れて、読者の皆さんにキャプテン・マホからクリスマスプレゼントをお贈りしたいと思います。“大人のためのやさしい経済童話”。気に入っていただければ幸いです。
私たちが生きている世界は基本的には資本主義社会。つまり私たちは日々経済ジャングルの中を旅しています。ほんの数10年前、日本人の中で独りで経済ジャングルを歩く人は少数でした。こうした人々は世間から“アウトロー”と呼ばれたものです。大多数の一般的な日本人は、“国”くんと“企業”くんの護衛付きで経済ジャングルを旅していました。あたかも助さん、格さんを連れて諸国漫遊をする水戸黄門のように。
経済ジャングルには経済的損失を招く危険箇所がいっぱいです。インフレ山やリストラ・タイフーン、デフレ沼などなど。“うまい話”という辺り一面いい香りを振り撒いて、香りに引き寄せられて近付いた者を食い物にする食人花もいたる所で咲いています。こんな恐ろしい経済ジャングルを、多くの日本人はのびのびと不安も感じることなく過ごしてきました。なぜなら、国と企業という助さん・格さんコンビがめっぽう頼りになったからです。けれど前にお話した通り、ベルリンの壁の崩壊をきっかけとして、経済ジャングルの地形は全く様変わりしました。奇しくも同時期に起こった壁の崩壊とIT革命という大地震によって地殻変動が起こった結果、これまでイデオロギー川や国境川によって分断されていた経済ジャングルは一体化して、巨大な経済ジャングルになってしまったのです。
その結果、日本人が平和に生息していた地域に米国人やイギリス人、フランス人などなどこれまで主として他地域で暮らしていた外来種が美味しい果実を求めてなだれ込んできました。困ったことに、彼ら外来種は厳しい環境によって鍛えられてきたせいか、「めっぽう強い」はずの国や企業も彼らの前ではたじたじです。いくらか押され気味。それでも国や企業は、自分たちの築いてきた楽園やそこに住む日本人たちを守るため頑張りました。
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