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2.名刺を変えると営業成績が上がる
Aさんは独立開業して1年がたつ。
営業から経理まで全て自分でこなす状況だ。最初の3ヵ月は必死でがんばり、なんと1日の訪問件数が百件を越えた日すらある。とにかく、訪問そして名刺を渡す日々だったが、訪問件数から見ると営業成績は予定の半分も行かない。
売上はまるで予定に届かず、経費ばかりがかさんでいく。このままではまずい。
名刺を配ってばかりいてもなかなか効果は上がらない。すでに、自分の想定したエリア内の配布はほぼ完了してしまっている。
そこで、今度は今まで名刺を配布した相手先に電話によるアプローチを試みた。
名刺交換をした相手に電話するのである。
頂戴した名刺を頼りに電話するが、名刺交換して3ヵ月も過ぎていると大半の相手がAさんのことを覚えていないらしいのだ。
「もしもし、○○のAと申します。C課長さんはいらっしゃいますか」
「ハイ。少々お待ち下さい」と相手の受付状が答える。そしてしばらくして「大変、失礼ですが私どものCはそちら様を存知上げないとのことです。どういったご用件でしょか?」と怪訝そうに問い返される。こうなったら、営業的にはおしまいである。
仕方なく「どうも、失礼いたしました」といって切る他はない。
大半の電話がこれと似たり寄ったりの状況でどうにも営業に結びつかない。
そうした電話の後、所在もなく、自分の名刺をじっと見つめていた。
Aさんは自分の名刺が特徴も個性もなく、印象に残らず記憶に残り難いように思えた。要するに無個性でなんの変わりばえも無いのである。これでは相手が忘れてしまうのも無理からぬことのように思えた。
そこで、思い切って名刺を変えて見ることにした。
何事につけ、人は人に関心を持つ。とにかく自分を印象づけることが肝心だ。相手が認識する自分とは顔と名前ではある。
そこで、名刺に写真を入れてみようと考え、サンプルを作ってみた。確かに顔は分かるが、モノクロ印刷のせいか、実にとっつき難いような顔の感じになってしまっている。これでは逆効果になり兼ねない。
個性的であれ印象的であれ、それが相手の嫌悪につながるようではもともこもない。
どうしたら名刺で個性と好感を感じてもらえるかを考えた末、顔を似顔絵にして見た。似顔絵ならどうにでもなる。自分の顔を邪気が無く笑顔でまとめてくれと、専門のデザイナーに頼んだ。
出来上がった似顔絵は自分に似ていない気もしたが、はたから見ればこう見えるのだと考え気にしないことにした。
この笑顔に名前そして社名、そして、渡す相手の年齢を考えて電話番号は見やすく大きく書いた。
出来上がった名刺は以前のものと比べるとちょっと垢抜けないような気がしたが、実に個性的で目立つものになった。もう1度、営業回りを開始した。
そうこうして、1週間も過ぎた頃、突然電話がかかってきた。名刺を渡した相手からの注文だったのである。早くも名刺を変えた効果があらわれてきた。
名刺は営業マンであるあなたの分身である。そして、あなたは顔と名前で認識されている。ぜひ、名刺に顔を入れてみて下さい。
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