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2.使用のメリットが高ければ、高くても買うのがお客
パソコンが普及し始めた頃の話である。
パソコンのパの字も分からない私もパソコンの便利さを周囲から聞かされるにつけ、欲しいという気持ちが高まってきた。
そんなある日、パソコンのチラシが入ってきた。当時には珍しいパソコンの安売店がオープンしたらしい。そこに掲載されているパソコンを思ったより安く、私にも充分に手の届く範囲だった。
早速、チラシを片手に自転車で30分もかけてその店に出向いた。店はかなりの人で賑わっており、パソコンに対する関心の高さを感じさせた。
お客の殆どは若い人で一様にパソコンの知識はありそうだった。何も分からない私はお客同士の話に耳を傾けた。しかし、話の内容がまるで分からない。
「これはスカジー(SCSI)接続だよね」とか「マウスがどうした、こうした」といった話しが飛び交っている。私にすればスカジーは車のスカイラインGTのことだし、マウスはハツカネズミもしくはミッキーマウスしか思いつかない。
不安にかられた私はとにかく、販売員に相談するしかないと思いレジに行って驚いた。レジカウンターの壁には「3つのノー」なる宣言が大書されていた。それは「説明しません」「包装しません」「配達しません」の「3つのノー」だからどこより安く売れる、と言うのだ。
パソコンは使えなければ粗大ゴミに等しい。私はパソコンが欲しいのではなく、パソコンを使用することでのメリットが欲しいのである。どんなに安くても、この店のパソコンは私にとって意味は無い。
その店のパソコンを買う気も買うだけの金もあるお客の私はスゴスゴとその店を後にした。
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